疼痛

(とうつう)とは?
Pain
(ペイン)
別名・関連する表現:痛み、身体の痛み、慢性疼痛、急性疼痛

ひとことでいうと

実際または潜在的な組織の損傷に関連して生じる、不快な感覚と感情を伴う体験です。

疼痛

(とうつう)の意味

疼痛は、一般に「痛み」を意味し、身体の組織損傷だけでなく、感情や過去の経験、生活環境の影響も受ける主観的な体験です。検査で明確な異常が見つからなくても本人の痛みは存在し、本人の訴えを出発点に評価することが基本です。

期間によって急性疼痛と慢性疼痛に分けられます。急性疼痛はけがや手術、炎症などに伴い、身体を守る警告として働きます。慢性疼痛は治癒に必要な期間を超えて続き、睡眠、気分、活動、社会参加に大きく影響します。

仕組みでは、傷や炎症による侵害受容性疼痛、神経の損傷や病変による神経障害性疼痛などがあります。ズキズキ、しびれる、焼ける、電気が走るなど表現が異なり、治療方法も変わります。

高齢者では複数の病気、認知症、感覚低下、薬の影響が重なり、痛みをうまく言葉にできないことがあります。表情、体を守る動き、食欲低下、不眠、拒否、落ち着きのなさも痛みのサインです。急な強い痛みや普段と異なる痛みは緊急性を含めて評価します。

介護では部位、強さ、性質、時間、誘因、軽減方法を確認し、数字や表情尺度も活用します。鎮痛薬の効果と副作用、姿勢調整や温冷罨法の指示、活動との関係を多職種で共有します。

言葉にしにくい痛みを捉える

認知症のある人は「痛い」と言わず、触られるのを嫌がる、立ち上がらない、食事量が減る、夜眠れないといった変化で示すことがあります。ケア拒否を性格の問題と決めつけず、動作時の表情や防御行動を観察します。

評価は安静時だけでなく、寝返り、移乗、歩行、排泄など痛みが出やすい場面で行います。鎮痛薬を使用した時刻と、何分後にどの程度楽になったかを記録すると治療調整に役立ちます。

転倒後の強い痛み、胸腹部の急痛、麻痺や冷汗を伴う痛みは、予定の受診を待たず相談します。慢性痛でも活動が急に落ちた場合は原因の再評価が必要です。

現場で知っておきたいポイント

疼痛ケアでは、本人の表現と行動の両方から変化を捉えます。

  • 部位、強さ、性質、始まった時刻を確認する
  • 安静時と動作時を分けて評価する
  • 表情、姿勢、防御動作、睡眠や食欲の変化を見る
  • 鎮痛薬の使用時刻、効果、副作用を記録する
  • 痛みを我慢させて無理に介助や訓練を続けない

数値評価が難しい人には表情尺度や普段との比較を使い、同じ方法で繰り返し評価します。

突然の激痛、意識変化、胸痛、麻痺、転倒後の変形などがあれば、緊急性を優先して医療へ連絡します。

関連する用語

参考情報・参考文献

日本ペインクリニック学会「痛みの評価法」
痛みの主観性、強さや性質を評価する方法を確認。
https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_hyouka.html
参照日:2026年9月29日

日本ペインクリニック学会「痛みの分類」
侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛などの仕組みを確認。
https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_bunrui.html
参照日:2026年9月29日

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