骨壊死
ひとことでいうと
骨壊死
骨壊死は、骨の一部で血液の供給が障害され、骨の細胞が死ぬ状態です。骨も血液から酸素や栄養を受け取る生きた組織です。股関節の大腿骨頭、膝、肩などに起こり、部位や範囲によって症状や治療が異なります。単一の原因の病気を指す言葉ではありません。
骨折や脱臼で血管が損傷した後に起こる外傷性と、明らかなけががない非外傷性があります。非外傷性ではステロイドの使用、過量の飲酒などが関わることがありますが、原因が分からない場合もあります。それらの経験がある人すべてに起こるわけではありません。
初期には症状が乏しいこともあり、骨がつぶれるなどの変化に伴って痛みや関節の動かしにくさが出ます。脚の骨では体重をかけると痛みが強まり、歩行に影響します。大腿骨頭の場合は脚の付け根だけでなく、太ももや膝に痛みを感じることもあり、痛む場所だけで原因を決めないことが大切です。
診断には症状や既往、X線、MRIなどを合わせて評価します。治療は負担の調整や薬、リハビリ、関節を保つ手術、人工関節などから状態に応じて選びます。介護では体重をかける量や動作の指示を確認し、痛みと生活動作の変化を共有して、自己判断で薬や運動を変更しないよう支えます。
骨粗鬆症との違いと病名の受け止め方
骨粗鬆症は、骨の量や質が変化して骨折しやすくなる病気です。一方、骨壊死は骨の特定の部分の細胞が死ぬ状態で、骨が弱いことと壊死は同じではありません。ただし、骨折に続いて壊死が起こる場合など、複数の問題が重なることはあります。病名が似ていても対応を一律にしないことが大切です。
「壊死」と聞くとすぐに歩けなくなる、必ず人工関節が必要になると考えがちですが、経過は部位や病変の大きさ、骨のつぶれの有無などで異なります。画像と診察をもとに経過を見る場合も、手術を検討する場合もあります。介助者は治療の結論を代わりに決めず、本人が説明を理解できるよう支えます。
ステロイドが背景として説明されても、自己判断で薬を中止しないことが重要です。薬を必要とする元の病気があり、変更には医師の判断が必要です。痛みを我慢させて歩行量を増やすことも避け、補助具や生活動線を相談します。説明された病変の場所と、現在の荷重・運動の指示を家族や支援者で共有します。
現場で知っておきたいポイント
病変のある場所と、本人への動作の指示を確認して支援します。
- 痛みの場所、始まった時期、体重をかけた際の変化を記録する。
- 歩行距離、足を引きずる様子、更衣や移乗の介助量を比較する。
- 荷重の制限や補助具の使い方を確認し、痛みを我慢させて歩かせないようにする。
- 薬の使用歴は医療職へ伝え、介助者の判断で中止・減量しない。
- 受診予定とリハビリの方針を共有し、生活で困る動作を相談する。
骨壊死と説明されても、一律の寝たきり対応にはしません。本人の病変と治療に合った活動を、医療職と相談して支えます。
急に体重をかけられない痛みや動作の著しい悪化は速やかに医療職へ連絡し、受診につなげます。
参考情報・参考文献
MSDマニュアル家庭版「骨壊死」
骨壊死の定義、外傷性・非外傷性、症状、診断と治療を確認。
参照日:2026年10月7日
関西医科大学附属病院「特発性大腿骨頭壊死」
大腿骨頭の症状、血行障害の背景、早期の画像評価と治療を確認。
https://hp.kmu.ac.jp/hirakata/visit/search/sikkansyousai/d16-004.html
参照日:2026年10月7日
