乳がん
ひとことでいうと
乳がん
乳がんは、主に乳房の乳腺の組織から発生する悪性腫瘍です。多くは乳管から、一部は小葉から生じます。がんの性質や進行の程度には違いがあり、乳房の中にとどまる場合も、周囲の組織やほかの臓器に広がる場合もあります。
主な症状には乳房のしこりがあり、皮膚のくぼみ、乳頭のただれ、分泌物、左右の形の変化などが現れることもあります。しこりがあっても必ず乳がんとは限らず、症状だけで判断できません。女性に多い疾患ですが、男性にも起こるため、気になる変化は受診につなげます。
診断には診察、画像検査、組織の検査などを用います。治療は進行度やがんの性質、全身状態、本人の希望を踏まえ、手術、放射線治療、薬物療法などを組み合わせて検討します。高齢者では、持病や身体機能、通院の負担を含め、生活と両立できる方法を医療職と相談します。
治療後には腕や肩の動かしにくさ、むくみ、疲れやすさなどが生活に影響する場合があります。更衣、入浴、家事に必要な支援は人によって異なります。介護現場では、本人が話しにくい不安にも配慮し、医療職からの説明に沿って動作や通院を支えます。病気や治療の状態を共有しながら、本人らしい暮らしを続けることが大切です。
治療後の腕のむくみと日常動作への配慮
乳がんの手術や放射線治療の影響で、腕や手にリンパ浮腫が生じることがあります。全員に起こるわけではありませんが、左右差、重さ、張り、衣服や指輪のきつさなどが気づく手がかりになります。治療から時間がたって現れることもあるため、変化を医療職へ伝えます。
腕や肩の動かし方は、手術内容や回復の状態に応じて確認します。痛みがあるのに無理に動かしたり、自己判断で強く揉んだりせず、医療職から示された方法と範囲で日常動作や運動を支えます。急な腫れや赤みは、むくみだけの問題と決めつけません。
更衣や入浴では、本人ができる動作を残しつつ、引っ張らない介助や着脱しやすい衣服を検討します。皮膚の傷や乾燥にも配慮し、普段の状態と相談先を家族・支援者で共有します。外見の変化への気持ちは人それぞれなので、本人の希望を確認して支援します。
現場で知っておきたいポイント
介助者は病気や治療を判断せず、本人の訴えと普段との違いを記録し、医療職へ共有します。観察は本人の同意とプライバシーに配慮して行います。
- 本人が気づいたしこり、皮膚や乳頭の変化、分泌物を医療職へ伝える。
- 腕のむくみ、左右差、重さ、赤み、痛みの変化を確認する。
- 肩や腕の動き、更衣・入浴・家事で困る場面を記録する。
- 食欲、疲れやすさ、治療後の体調変化、通院の負担を共有する。
- 無理な運動や強いマッサージを避け、本人の希望に沿って介助する。
治療後の支援方法は手術や治療内容によって異なります。退院時の説明と相談先を確認し、必要な動作介助や皮膚のケアを看護師などと相談します。新しい変化が続くときは、次の定期受診まで待つかどうかも医療職へ確認します。
腕の急な腫れや強い赤み・熱感に発熱を伴う場合、強い息苦しさや急激な全身状態の悪化がある場合は、速やかな医療評価につなげます。
参考情報・参考文献
国立がん研究センター がん情報サービス「乳がんについて」
疾患の概要、症状、関連疾患を確認。
https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/about.html
参照日:2026年10月5日
国立がん研究センター がん情報サービス「乳がん 療養」
治療後の生活、腕のむくみなどへの配慮を確認。
https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/follow_up.html
参照日:2026年10月5日
国立がん研究センター がん情報サービス「乳がん 治療」
治療の選択と治療に伴う生活への影響を確認。
https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html
参照日:2026年10月5日
