半月板損傷
ひとことでいうと
半月板損傷
半月板損傷は、大腿骨と脛骨の間にある半月板という組織が裂けたり傷んだりした状態です。半月板は膝の内側と外側にあり、体重の負担を分散するクッションとして働き、関節の安定にも関わります。骨折や靱帯の損傷とは異なる病気です。
体重がかかった膝をひねる動作やスポーツ中のけがで生じるほか、加齢で傷つきやすくなった半月板に小さな負担が加わって起こる変性断裂もあります。高齢者では大きなけががなくても症状が出る場合があり、変形性膝関節症などが重なることもあります。
膝の痛みや腫れ、曲げ伸ばしでの引っかかりなどが代表的です。裂けた部分が関節の中に挟まると、膝が動かせないロッキングが起こる場合があります。立ち上がり、方向転換、階段、歩行に影響するため、介護では普段より動作が遅い、体重をかけにくいなどの変化を共有します。
診断では経過と診察を確認し、MRIで損傷やほかの組織への影響を評価します。治療には薬や運動療法などの保存療法と、関節鏡で縫合・切除する手術があります。半月板をできるだけ保つことが重視され、症状、部位、血流などで方針を選びます。介助や運動は治療内容に合わせて行います。
縫合と切除では運動の進め方が異なる
半月板の手術には、裂けた部分を糸で合わせる縫合術と、傷んだ部分を必要な範囲で取り除く部分切除術があります。半月板は場所によって血流が異なり、損傷の形や時期、ほかの損傷も考慮して方法を選びます。どちらの術式かを知ることは、退院後の介助を引き継ぐうえでも役立ちます。
縫合した場合は、修復した部分を保護しながら回復を待つ必要があります。切除の場合とは、体重をかける時期や膝を曲げる範囲、運動の進め方が異なることがあります。同じ「半月板の手術後」でも、ほかの人の経験や一律の日数を当てはめず、本人に出された具体的な指示を確認します。
痛みが軽くなっても、すぐに深くしゃがんだり、足を床につけたまま強く方向転換したりしてよいとは限りません。荷重と曲げ伸ばしの許可を、医師・リハビリ職と共有します。トイレの高さ、椅子、歩行補助具を調整し、本人が安全に生活できる方法を相談します。保存療法中も、無理に引っかかりを解除するような操作は避けます。
現場で知っておきたいポイント
膝の症状と、体重をかける動作での変化を確認します。
- 痛みや腫れの場所、始まった時期、ひねったきっかけを記録する。
- 立ち上がり、階段、方向転換での引っかかりや不安定さを共有する。
- 動かない膝を無理に曲げ伸ばししないようにする。
- 手術の種類、体重をかける量、膝を曲げてよい範囲を確認する。
- 椅子・トイレの高さや補助具を相談し、転倒しにくい動線を整える。
本人ができる動作を残しつつ、痛みを我慢させて歩行練習を増やしません。介助の変更は治療方針と合わせて医療職へ相談します。
急に膝が動かせない、強い腫れで体重をかけられないなどの変化は速やかに医療職へ伝えます。
参考情報・参考文献
順天堂大学医学部附属順天堂医院「膝半月板損傷」
外傷性と変性断裂の違い、症状、診断、温存を重視する治療を確認。
https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/seikei/disease/disease14.html
参照日:2026年10月7日
日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ33 半月板損傷」
半月板の働き、ロッキング、縫合・切除の違いを確認。
https://jsoa.or.jp/content/images/2023/05/s33.pdf
参照日:2026年10月7日
