膵炎

(すいえん)とは?
Pancreatitis
(パンクリアタイティス)
別名・関連する表現:すい炎、急性膵炎、慢性膵炎

ひとことでいうと

膵臓に炎症が起こる病気で、急性と慢性では経過や生活上の注意が異なる。

膵炎

(すいえん)の意味

膵炎は、消化酵素や血糖を調節するホルモンをつくる膵臓に炎症が起こる病気です。急に炎症を起こす急性膵炎と、長い経過で膵臓の組織が傷つき線維化する慢性膵炎があります。急性と慢性では経過や治療、栄養の管理が異なるため、病名だけで同じ対応を行うことはできません。

急性膵炎では、アルコールや胆石などが原因となり、上腹部の強い痛み、背中へ広がる痛み、吐き気、嘔吐、発熱などがみられます。炎症が他の臓器に影響すると重症化することもあります。症状や血液検査、CTなどを合わせて診断し、重症度に応じた輸液、痛みへの対応、栄養管理などを行います。

慢性膵炎では腹痛を繰り返すことがあり、進行して膵臓の機能が低下すると、消化吸収不良による下痢や脂肪便、体重減少、糖尿病などが現れます。痛みが軽くなっても機能が回復したとは限りません。治療では禁酒・禁煙、薬物療法のほか、膵管や膵石の状態に応じて内視鏡治療や手術を検討します。

介護では腹痛の部位や強さ、飲食量、便の性状、体重の変化などを継続して観察します。高齢者では持病や低栄養も考慮する必要があるため、一律の食事制限や自己判断による絶食は行いません。食事再開の時期、栄養内容、服薬や血糖管理について医療職の指示を確認して支援します。

食事と栄養の支援は病期に合わせる

急性期の食事や水分摂取は病状と治療計画に合わせて決まります。介助者が「膵臓を休めるため」と独自に食事を中止するのではなく、現在の指示と変更時期を看護師に確認します。

慢性膵炎では消化吸収不良への対応と十分な栄養の確保が必要になる場合があります。脂肪を極端に避けるなどの制限を一律に行わず、管理栄養士と食べやすさ、量、薬の使用方法を相談します。

食後の痛みや便の変化を本人が話しにくいこともあります。食事時刻と症状、体重を記録し、飲酒・喫煙に関する支援も本人の意向と治療方針に沿って行います。責める対応は相談を妨げます。

現場で知っておきたいポイント

介助者は病状や治療を判断せず、体調と生活の変化を観察・記録し、医療職へ共有します。

  • 腹痛の開始時刻、部位、強さ、背中の痛みを記録する。
  • 吐き気、嘔吐、発熱、食欲の変化を医療職に共有する。
  • 便の回数・性状、体重、食事摂取量を継続して確認する。
  • 食事、水分、消化酵素薬や糖尿病治療の指示を守る。
  • 禁酒・禁煙や受診の継続を、本人の状況に合わせて支援する。

症状と食事・排便の記録をつなげ、痛みが減ったことだけで改善を判断しないようにします。薬の増減や栄養内容の変更は医療職へ相談します。

強い腹痛が続く、嘔吐で飲食できない、意識の低下や冷汗・顔色不良がある場合は、直ちに医療職へ連絡し緊急手順に従います。

関連する用語

参考情報・参考文献

日本肝胆膵外科学会「急性膵炎と慢性膵炎」

急性・慢性膵炎の症状、原因、検査、治療と機能低下を確認。

https://www.jshbps.jp/modules/public/index.php?content_id=17

参照日:2026年10月5日

近畿大学医学部外科学教室「慢性膵炎の診断と治療」

慢性膵炎の経過、消化吸収不良、糖尿病と診断について確認。

https://www.kindai-geka.jp/manseisuien/

参照日:2026年10月5日

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