帯状疱疹後神経痛
ひとことでいうと
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹によって傷ついた神経の影響で、発疹や水ぶくれなどの皮膚症状が治った後も痛みが続く状態です。帯状疱疹は、体内に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活動して起こります。皮膚の見た目が回復しても、神経の障害による痛みが残ることがあります。
痛みは、焼けるような感じ、電気が走る感じ、針で刺されるような感じなど、人によって異なります。服が触れる、寝具がこすれるといった軽い刺激でも強い痛みを感じることがあります。しびれや感覚の鈍さを伴う場合もあり、痛みの強さや続く期間には個人差があります。
高齢者では帯状疱疹後神経痛が起こりやすく、痛みが睡眠、食事、着替え、入浴などに影響することがあります。発疹が消えたことだけで、痛みも治ったと判断しないことが大切です。本人の訴えに加え、患部をかばう動作や活動量の変化にも目を向けます。
診断では帯状疱疹の経過、痛む場所や性質、感覚の変化などを確認します。治療には神経障害による痛みに用いる薬などが使われ、状態に応じて神経ブロックなども検討されます。痛みが長引くときは医師に相談し、生活への影響を伝えながら、本人に合う治療と生活上の工夫を続けます。
軽い接触でも痛むことがある
通常なら痛くない刺激で痛みが生じることを「アロディニア」といいます。帯状疱疹後神経痛では、衣服やタオルが触れるだけでも痛む場合があり、皮膚の見た目だけではつらさが伝わりにくいことがあります。軽い接触への反応を大げさだと受け取らず、本人が感じている痛みとして尊重します。
どの場所への、どのような触れ方がつらいかを確認し、衣服の縫い目や寝具の当たり方を調整します。着替えや清拭は、先に声をかけてゆっくり行い、痛みが出たら無理に続けないようにします。同じ人でも日によって感じ方が変わるため、前回楽だった方法が今回も適切とは限りません。
痛みの強さだけでなく、「服を着るのがつらい」「寝返りで目が覚める」など、困っている生活場面を記録すると治療の相談に役立ちます。患部への接触を避けるために入浴や外出を控えている場合も、その背景を共有します。痛みを完全に説明できなくても訴えを否定せず、本人が楽だと感じる方法を探しながら、生活への支障を医療職に伝えます。
現場で知っておきたいポイント
皮膚の状態だけでなく、痛みの訴えと生活への影響を継続して確認します。
- 痛む場所、痛みの性質、強さ、時間帯、きっかけを本人の言葉で記録する。
- 衣服や寝具の接触で痛まないか確認し、患部への摩擦や圧迫を減らす。
- 睡眠、食欲、着替えや入浴、外出への影響を普段と比べる。
- 介助の前に声をかけ、強くこする・もむなど本人がつらい刺激を避ける。
- 服薬状況と眠気、ふらつきなどの変化を共有し、転倒に配慮する。
痛みを我慢させたり、薬を介助者の判断で増減したりせず、生活に支障があれば医師や看護師に相談します。新たな発疹や別の部位の痛みは、以前の神経痛と決めつけずに伝えます。
参考情報・参考文献
日本ペインクリニック学会「神経障害性痛」
帯状疱疹後神経痛の成り立ち、痛みの特徴、治療の考え方を確認。
https://www.jspc.gr.jp/igakusei/igakusei_shinkei.html
参照日:2026年10月6日
大阪府「帯状疱疹について」
帯状疱疹後神経痛と高齢者での発症リスクを確認。
https://www.pref.osaka.lg.jp/o100030/taizyouhousin.html
参照日:2026年10月6日
