閉塞性動脈硬化症(ASO)
ひとことでいうと
閉塞性動脈硬化症(ASO)
閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化によって手足の動脈が狭くなったり閉塞したりし、その先の組織に血液が届きにくくなる病気です。特に足に多く、酸素や栄養が不足することで冷感や痛みが生じます。ASOという略称でも呼ばれ、末梢動脈疾患の一つに位置づけられます。
加齢や喫煙、糖尿病、高血圧、脂質異常症などが背景になります。動脈硬化は足だけの問題ではなく、心臓や脳の血管の病気を伴うこともあります。足の静脈に血栓ができる病気とは異なり、全身から足へ血液を送る動脈の流れが悪くなる状態です。
歩くとふくらはぎなどが痛み、休むと軽くなる間欠性跛行が特徴です。進行すると安静時にも痛み、足の傷や潰瘍が治りにくくなることがあります。高齢者では歩行量が少ない、感覚が低下しているなどの理由で症状に気づきにくく、移動や足の手入れへの支援が重要になります。
診断には手足の血圧の比較や超音波検査などを用います。禁煙や持病の管理、薬物治療、状態に合った運動療法を行い、必要に応じて血流を改善するカテーテル治療や手術を検討します。介護では足の皮膚と生活動作の変化を共有し、運動や処置を自己判断で追加せず医療職と相談します。
足の保護と歩行支援を両立する
歩行は治療の一つになることがありますが、すべての方に同じ方法を当てはめることはできません。安静時の痛みや傷がある場合などは対応が異なるため、医療職が示した活動範囲や休憩の取り方を確認します。
足の血流が悪いと、小さな傷ややけども治りにくくなります。靴の当たり、皮膚の傷、爪の状態を確認し、足を清潔に保ちます。痛みを訴えない場合も、感覚の低下によって異常に気づきにくい可能性があります。
冷たいからといって湯たんぽなどを直接当てません。温度の感じ方が弱い方では低温やけどにつながります。深爪や無理な皮膚の処置も避け、本人ができる手入れを支えながら、傷や色の変化を看護師などに相談します。
現場で知っておきたいポイント
介助者は血流障害を判断せず、足の状態と歩行の変化を観察・記録し、医療職へ共有します。
- 歩くと痛む場所、歩ける距離、休むと軽くなるかを記録する。
- 足の冷感、皮膚の色、傷、潰瘍、左右差と前日からの変化を確認する。
- 安静時や夜間の痛み、睡眠や移動への影響を伝える。
- 靴の当たりや爪を確認し、深爪、強い摩擦、直接の加熱を避ける。
- 運動や足の処置は医療職の指示に従い、薬を自己判断で中断しない。
足の状態に応じて歩行と休息を支えます。傷が治らない、安静時にも痛むなどの変化は、早めに医療職へ相談します。
足が急に強く痛む、冷たく白くなる、しびれや動かしにくさが急に出る場合は、通常の経過観察を続けず、速やかな医療評価につなげます。
参考情報・参考文献
国立循環器病研究センター「閉塞性動脈硬化症」
定義、症状、治療と足の保護を確認。
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/arteriosclerosis-obliterans/
参照日:2026年10月5日
国立病院機構大阪医療センター「閉塞性動脈硬化症」
危険因子、症状、診断と治療の概要を確認。
https://osaka.hosp.go.jp/shinryo-navi/disease/n07.html
参照日:2026年10月5日
