大腸がん
ひとことでいうと
大腸がん
大腸がんは、結腸や直腸の粘膜に発生する悪性腫瘍です。良性の腺腫からがんになる場合と、正常な粘膜から直接発生する場合があります。発生した場所や進行の程度により、症状や治療後の生活への影響が異なります。
早期には自覚症状が乏しく、検診などで見つかることもあります。進行すると血便、便秘と下痢の繰り返し、便が細くなる、腹部の張りなどが現れます。出血が続くことで貧血になる場合もありますが、これらの症状だけで大腸がんと判断することはできません。
高齢者では、疲れやすさ、食欲低下、体重減少などが生活の変化として気づかれることがあります。便通の変化を年齢や普段の便秘だけに結びつけず、本人の訴えや排便の状態を医療職へ伝えることが大切です。症状がなくても、医師と相談した検診や受診を支えます。
診断には内視鏡検査や組織の検査などを用い、進行度や全身状態に応じて内視鏡治療、手術、薬物療法などを検討します。治療後は排便のリズムが変わったり、ストーマの管理が必要になったりすることがあります。在宅支援では、治療方針と本人の希望を共有し、食事、排泄、通院を無理なく続けられるよう支えます。
治療後の排便の変化と生活の支え方
大腸がんの治療後には、便秘、下痢、便が何度も出る、便意を我慢しにくいといった変化が生じることがあります。手術した部位や治療内容によって違いがあり、全員に同じ食事制限や排便対策が必要になるわけではありません。退院時の説明を確認し、本人に合った方法を継続します。
排便の回数だけでなく、便の硬さ、出血、腹部の張り、食事との関係を記録すると、相談時の手がかりになります。便秘だからと下剤を増やしたり、下痢だからと食事や水分を極端に減らしたりせず、治療担当者の指示に沿って調整することが大切です。
ストーマがある場合は、装具の交換方法、皮膚の状態、相談先を本人・家族と共有します。排泄への不安から外出を控えることもあるため、トイレや物品の準備、休憩場所などを一緒に考え、本人の生活範囲を保つ支援につなげます。
現場で知っておきたいポイント
介助者は病気の進行や治療を判断せず、排便や生活の普段との違いを観察・記録し、医療職へ共有します。
- 便の回数、硬さ、色、血液の混じり方、腹部の張りや痛みを確認する。
- 食欲、体重、疲れやすさ、顔色、日常活動の変化を記録する。
- 治療日程、服薬、排便対策について指示された内容を確認する。
- ストーマがある場合は、装具の状態や周囲の皮膚の変化を共有する。
- 自己判断で下剤や止痢薬を増減せず、本人の不安や困りごとを聞く。
排便の変化は治療後にも起こりますが、新しい出血や続く症状を「いつものこと」と決めつけません。記録をもとに看護師や医師へ相談し、食事や排泄の支援方法を確認します。
強い腹痛、繰り返す嘔吐、便やガスが出ない状態、大量の出血、意識や反応の低下がある場合は、通常の経過観察を続けず速やかな医療評価につなげます。
参考情報・参考文献
国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)について」
疾患の概要、症状、関連する疾患を確認。
https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/about.html
参照日:2026年10月5日
国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) Q&A」
治療後の排便の変化や生活上の注意を確認。
https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/qa.html
参照日:2026年10月5日
