バランス能力
ひとことでいうと
バランス能力
バランス能力とは、静止しているときや身体を動かしているときに姿勢を保ち、不安定になった姿勢を立て直す能力のことです。厚生労働省の情報でも、静止姿勢や動作中の姿勢を保ち、不安定な状態から回復する能力として説明されています。
バランス能力は、単純に「脚の筋力が強いかどうか」だけで決まるものではありません。
目から入る視覚情報、筋肉・関節・足の裏などから得られる体性感覚、内耳から得られる前庭感覚などの情報を脳が処理し、それに応じて身体を動かすことで姿勢を調整しています。
そのため、立っているだけでなく、歩く、方向転換する、物を取る、階段を上り下りするなど、多くの日常生活動作に関係する重要な身体機能です。
「静的バランス」と「動的バランス」とは?
バランス能力を考えるときには、静的バランスと動的バランスという視点があります。
静的バランスは、立位など一定の姿勢を安定して保つ能力です。例えば、片足立ちで姿勢を保つ場面などがイメージしやすいでしょう。
一方、動的バランスは、身体を動かしながら姿勢を保つ能力です。歩行や方向転換、前方へ手を伸ばす動作などでは、重心が動く中で姿勢を調整する必要があります。
医療・リハビリ現場では、片足立ち、Functional Reach Test、Berg Balance Scale(BBS)など、目的に応じてさまざまな方法でバランス能力を評価します。日本理学療法士協会の標準評価にも立位バランスの評価項目が含まれています。
現場で知っておきたいポイント
介護現場では、バランス能力の低下は「ふらつく」という形だけで現れるとは限りません。
例えば、立ち上がった直後に身体が安定しない、方向転換で足が止まる、歩行中に壁や家具へ手を伸ばす、ズボンを上げるときに姿勢が崩れるなど、日常生活のさまざまな場面に変化が現れることがあります。
また、バランス能力が低下しているからといって、単純に「筋力が弱い」と判断することはできません。バランスには筋力だけでなく、感覚や神経系など複数の要素が関係します。
介助するときは、転倒を防ぐことだけを考えて身体を強く固定するのではなく、どの場面で姿勢が崩れやすいのかを観察することも大切です。
必要に応じて理学療法士などへ情報共有し、身体機能だけでなく、杖や歩行器などの福祉用具、生活環境も含めて検討します。
参考情報・参考文献
厚生労働省 e-ヘルスネット「バランス運動の効果と実際」
参照日:2026年9月17日
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
2024年1月
参照日:2026年9月17日
公益社団法人 日本理学療法士協会「理学療法標準評価」
2024年4月1日更新
参照日:2026年9月17日
