徒手筋力テスト
ひとことでいうと
徒手筋力テスト
徒手筋力テスト(MMT)とは、筋肉や筋群が発揮する力を、検査者が徒手的に評価する方法です。
英語の「Manual Muscle Testing」の頭文字を取り、医療・リハビリ現場では**MMT(エムエムティー)**と呼ばれます。
一般的なMMTでは、関節運動ができるか、重力に逆らって動かせるか、検査者が加える抵抗に耐えられるかなどを確認し、0〜5の6段階で筋力を判定します。
例えば「MMT3」と記録されている場合は、基本的には重力に抗して、その関節運動を行えるレベルを意味します。
筋力低下の程度を把握したり、左右差や経時的な変化を確認したりするために、リハビリテーションをはじめさまざまな臨床場面で使用されています。
MMTの0〜5は何を表している?
MMTは基本的に、次のような考え方で評価します。
0:筋収縮が確認できない
1:筋収縮は確認できるが、関節運動は起こらない
2:重力の影響をできるだけ除けば、関節運動ができる
3:重力に抗して関節運動ができる
4:重力に抗した運動に加え、ある程度の抵抗にも耐えられる
5:十分な抵抗に対して運動・保持ができる
ただし、MMTは単純な「筋力の点数表」ではありません。検査する筋・運動によって肢位や評価方法が異なり、適切な方法で実施する必要があります。
また、0〜5は等間隔の数値ではなく、順序尺度です。「MMT4はMMT2の2倍の筋力」という意味にはなりません。
現場で知っておきたいポイント
MMTは特別な大型機器を必要とせず、臨床で広く使われている便利な筋力評価です。一方で、MMTの結果だけで実際の筋力や生活動作能力をすべて判断することはできません。
特にMMT4や5など抵抗を加えて判定する段階では、検査者が加える力や判断などの影響を受ける可能性があります。また、同じMMT5でも実際に発揮できる筋力には差がある場合があります。
そのため必要に応じて、ハンドヘルドダイナモメーターなどを用いた定量的な筋力測定や、関節可動域、バランス能力、実際の生活動作などと組み合わせて評価します。
介護現場でも「MMT3だから歩ける」「MMT2だから立てない」といったように、MMTの数値だけから動作能力を決めつけないことが重要です。
筋力は動作を構成する一つの要素であり、実際の生活では関節の動き、バランス、痛み、感覚、認知機能、環境など多くの要素が関係します。
参考情報・参考文献
市橋則明ほか「徒手筋力検査法の問題点」理学療法科学
2011年・26巻5号
参照日:2026年9月17日
関西理学療法学会「運動学に基づいた徒手筋力検査における臨床的評価法」関西理学療法
2021年・21巻
参照日:2026年9月17日
細金直文「腰椎疾患における大腿四頭筋筋力低下は徒手筋力テスト(MMT)で正確な評価は可能か?」Journal of Spine Research
2025年・16巻5号
参照日:2026年9月17日
