レケンビ皮下注、11月13日薬価収載予定 在宅投与の選択肢と安全管理

2026.11.07
窓から医療施設を望む室内の相談資料と、レケンビ皮下注、11月13日薬価収載予定の文字を描いた水彩イラスト。

厚生労働省は11月6日の中央社会保険医療協議会総会で、アルツハイマー病治療薬「レケンビ皮下注250mgペン」を11月13日の薬価収載予定品目として示した。新医薬品一覧表に記載された算定薬価は1本27,141円である。

皮下注製剤は、点滴で行ってきた治療に新たな投与方法を加えるものだ。患者本人だけでなく、通院に付き添う家族や在宅生活を支える人にとっても、投与場所と安全管理の両面が関わる動きである。

■9月の薬事承認と11月の薬価収載予定を区別

レケンビ皮下注250mgペンは、9月16日に日本で薬事承認を受けた。製造販売元側の発表によると、250mg入りのペン2本、計500mgを週1回皮下投与する製剤である。従来の2週に1回の点滴静注とは投与経路と頻度が異なる。

今回の薬価収載予定は、保険診療で用いる際の薬価に関する手続であり、9月の薬事承認とは別である。11月7日時点では収載予定日より前であり、すでに保険適用が始まったものとして扱うことはできない。また、示された薬価は患者が窓口で支払う自己負担額そのものではない。

■対象は早期のアルツハイマー病、進行抑制を目的とする

厚労省の在宅自己注射に関する資料では、効能・効果を「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」としている。認知症全般や、あらゆる進行段階を対象とする薬ではなく、病気を治すとする承認でもない。

同資料では、保険医が処方箋を交付できる注射薬と在宅自己注射指導管理料の対象薬剤に追加する案が示された。薬価収載と在宅自己注射に関する制度上の取扱いは、それぞれ確認すべき事項となる。

■在宅投与でも医療機関による管理は続く

自己投与できる製剤であっても、患者や家族だけの判断で始めるものではない。承認発表に示された留意事項では、投与開始時は医療施設で医師または医師の直接の監督下で投与するとしている。その後の自己投与も、妥当性の検討と教育訓練を経て、患者または家族・介護者がリスクや対処法を理解し、確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導下で行う。

安全面では、アミロイド関連画像異常(ARIA)や脳出血などに注意が必要である。皮下注製剤でも、治療開始前と開始後の所定の時点でMRIによる確認を行う点は点滴と同様だ。在宅で投与できることは、通院や検査が不要になることを意味しない。

介護・福祉の現場にとって今回の焦点は、治療の選択肢が広がる一方で、日常生活を支える側と医療機関との連携も引き続き必要になる点である。通院負担の軽減への期待と、投与を安全に続けるための条件を分けて理解することが重要だ。

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