言語聴覚士
ひとことでいうと
言語聴覚士
言語聴覚士とは、ことばによるコミュニケーションや聞こえ、発声・発音などに問題のある方に対して、評価・訓練・助言などを行う専門職です。
日本では「言語聴覚士法」に基づく国家資格です。厚生労働大臣の免許を受けて、音声機能・言語機能・聴覚に障害のある方に対して、機能の維持・向上を目的とした訓練や検査、助言・指導などを行います。
対象となる領域は幅広く、失語症、構音障害、音声障害、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、高次脳機能障害などがあります。
さらに重要なのが、食べる・飲み込む「摂食嚥下」の問題にも専門的に関わることです。日本言語聴覚士協会も、言語聴覚士を「話す、聞く、食べる」のスペシャリストとして紹介しています。
言語聴覚士は「ことば」だけの専門職ではない?
「言語聴覚士」という名称から、話すことや聞くことだけを担当する専門職と思われることがあります。
しかし実際には、摂食嚥下障害への評価やリハビリテーションも重要な専門領域です。日本言語聴覚士協会でも、嚥下障害を言語聴覚士が対応する代表的な領域の一つとして挙げています。
例えば、食事中にむせる、うまく噛めない、飲み込みに時間がかかるといった問題がある場合に、食べる機能を評価し、状態に応じた訓練や助言を行います。
また、失語症のある方へのコミュニケーション支援、発音が不明瞭な方への訓練、聴覚障害のある方への支援なども行います。
つまりSTは、「コミュニケーション」と「食べること」という生活に欠かせない機能を支える専門職と考えると分かりやすいでしょう。
現場で知っておきたいポイント
介護現場では、「食事中によくむせる」という情報だけでなく、いつ・何を食べたときに・どのような変化があったのかを具体的に共有すると、言語聴覚士の評価につながりやすくなります。
例えば、固形物では問題ないが水分でむせる、食事の後半になるとむせが増える、口の中に食べ物が残る、食後に声が湿ったようになるなど、日常の食事場面で介助者が気づく情報は重要です。
コミュニケーションについても同様です。「話せない」と一括りにせず、言葉が出にくいのか、相手の話を理解しにくいのか、発音が不明瞭なのか、声が出しにくいのかによって問題は異なります。
言語聴覚士は医師・歯科医師・看護師・PT・OT・介護福祉士・介護支援専門員など、多職種と連携して支援を行います。
参考情報・参考文献
厚生労働省「言語聴覚士法」
1997年12月19日
参照日:2026年9月15日
一般社団法人 日本言語聴覚士協会「言語聴覚士とは」
参照日:2026年9月15日
厚生労働省「言語聴覚士国家試験の施行」
参照日:2026年9月15日
