FIM(機能的自立度評価法)
ひとことでいうと
FIM(機能的自立度評価法)
FIMはFunctional Independence Measureの略で、日本語では機能的自立度評価法と呼ばれます。日常生活動作を中心に、どの程度自分で行い、どのくらい介助を要するかを評価します。リハビリの経過や生活支援の検討に用いられる尺度です。
構成は運動13項目と認知5項目の計18項目です。運動面には身の回りの動作、排泄の管理、移乗、移動など、認知面には意思疎通や社会的な認知に関する活動が含まれます。身体の動きだけでなく、生活を成り立たせる認知面の支援も捉えます。
各項目を1〜7の7段階で評価し、合計は18〜126点です。一般に高いほど介助の必要性が少ないことを示します。ただし各段階は順序を表すもので、1点の差がどの項目でも同じ負担や能力差を意味するわけではありません。
FIMは、訓練場面で最大限できたことだけでなく、自宅や病棟で実際に行っているADLを重視します。ADLは生活動作という概念、FIMはそれを評価する尺度の一つです。バーセルインデックスとは項目構成や採点方法が異なります。正式な採点には教材と運用基準の理解が必要で、合計点だけで退院先や介護方法を決めません。
実際の介助場面を多職種で照合する
評価では、食事、更衣、排泄、移動などの場面を具体的に確認します。「できる」だけでなく、準備、見守り、声かけ、直接の介助、補助具の使用や所要時間などを整理します。訓練室と病棟、昼と夜で状況が違う場合は、その背景を共有します。
例えば動作自体は行えても、安全確認や手順の声かけが欠かせない場合があります。手を触れていない支援も評価上の重要な情報です。家族や介護職が普段行っている支援を、看護師・療法士などへ具体的に伝えることが役立ちます。
前後の点数を比べる際は、項目別の変化と環境の違いを確認します。同じ合計点でも介助が必要な場面は異なるため、改善した動作、残る危険、家族の負担を合わせて検討します。FIMだけでは生活の満足度や社会参加のすべてを説明できません。
評価票・詳細な採点基準を無断で転載しないことにも注意が必要です。使用する教材や評価票の権利・利用条件を確認し、正式な資料と必要な研修に基づいて運用します。本項は尺度の概要説明であり、正式な評価票や採点マニュアルを代替するものではありません。
現場で知っておきたいポイント
FIMを支援に生かすには、点数を付けるだけでなく、誰がどの場面で何を手伝っているかを明確にすることが重要です。
- 生活場面を見る:食事、更衣、排泄、移動を普段の環境で確認します。訓練中に一度できた動作だけで評価せず、日常で実際に行う方法を把握します。
- 支援を具体化:準備、声かけ、見守り、身体介助、補助具を区別します。「自立」とだけ記録せず、安全を保つための手助けがある場合は内容を共有します。
- 項目別に比較:合計の増減だけでなく、どの動作の介助が変わったかを確認します。評価時期や環境の違いも記録し、生活上の改善かを多職種で検討します。
- 基準をそろえる:正式な教材と施設の評価手順を確認します。採点に迷う場合は自己流で点を決めず、研修を受けた担当者や療法士と観察内容を照合します。
- 支援計画へつなぐ:介助量に加えて疲労、転倒の危険、家族の負担、本人の希望を確認します。点数だけで退院先や介護の必要性を決めないようにします。
記録は日付、環境、動作と支援内容を残し、看護師・介護職・療法士などで共有します。評価票を複製・配布・システム化する際は、事前に権利と利用条件を確認します。
もっと詳しく|関連ブログ
参考情報・参考文献
FIM 機能的自立度評価法
発行機関:慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
https://www.keio-rehab.jp/about_us/fim_sias/fim/
参照日:2026-10-19
Functional Independence Measure — RehabMeasures Database
発行機関:Shirley Ryan AbilityLab
https://www.sralab.org/rehabilitation-measures/functional-independence-measure
参照日:2026-10-19
Functional Independence Measure
発行機関:American Psychological Association
https://www.apa.org/pi/about/publications/caregivers/practice-settings/assessment/tools/functional-independence.html
参照日:2026-10-19
