便秘
ひとことでいうと
便秘
便秘は、排便回数が少ないだけでなく、便が硬い、強くいきむ、残便感がある、出口で詰まるなど、満足な排便ができない状態です。毎日排便がなくても苦痛がなければ一概に便秘とはいえず、本人の普段の排便習慣と困りごとを確認します。
原因には食物繊維や水分の不足、運動量低下、加齢による腸の動きの低下、排便を我慢する習慣、環境変化があります。便秘を起こしやすい薬、糖尿病、甲状腺機能低下、神経疾患、大腸疾患などが関係する場合もあります。
高齢者では活動低下、食事量減少、筋力低下、認知症、複数の薬が重なりやすく、便秘が長引くと食欲低下、腹痛、悪心、せん妄につながることがあります。硬い便が直腸に詰まる糞便塞栓では、周囲から軟便が漏れて下痢のように見えることもあります。
観察では回数だけでなく、便の形、量、いきみ、痛み、残便感、腹部症状を確認します。血便、嘔吐、強い腹痛、腹部膨満がある場合は、単純な便秘と決めつけず医療へ相談します。
支援では食事、水分、活動、排便姿勢、トイレへ行く時間を整えます。下剤は種類によって作用が異なるため、自己判断で量を増減しないことが重要です。
排便回数だけで判断しない
排便記録では「何日出ていないか」だけでなく、便の硬さ、量、いきみ、腹痛、下剤の使用時刻を残します。ブリストル便形状スケールなど同じ基準を使うと多職種で共有しやすくなります。
足が床につき、前かがみになれる姿勢は腹圧を使いやすくします。朝食後など腸が動きやすい時間にトイレへ案内し、急かさず落ち着ける環境を整えます。水分制限がある人は医療職の指示を優先します。
急な便秘、体重減少、血便、強い腹痛、嘔吐、ガスも出ない場合は、早めの受診や緊急性の判断が必要です。摘便や浣腸は適応と指示、実施者の資格を確認します。
現場で知っておきたいポイント
便秘ケアでは、排便の状態と生活全体を合わせて確認します。
- 排便日、便形状、量、いきみ、残便感を記録する
- 食事量、水分量、活動量、トイレ習慣を確認する
- 便秘を起こしやすい薬と下剤の使用状況を確認する
- 足がつく安定した排便姿勢を整える
- 腹痛、膨満、嘔吐、血便の有無を見る
下剤の追加だけでなく、生活と便の変化を継続して評価します。本人の羞恥心とプライバシーにも配慮します。
強い腹痛、繰り返す嘔吐、著しい腹部膨満、血便がある場合は、腸閉塞なども考えて速やかに相談します。
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参考情報・参考文献
日本消化器病学会「便秘治療に用いられる薬」
便秘治療薬の種類と適切な使用の考え方を確認。
https://www.jsge.or.jp/citizens/hiroba/hiroba25/hiroba25_08/
参照日:2026年9月29日
国立がん研究センター がん情報サービス「便秘」
便秘の症状、原因、生活上の対処と相談目安を確認。
https://ganjoho.jp/public/support/condition/constipation/index.html
参照日:2026年9月29日
