痙攣性便秘

(けいれんせいべんぴ)とは?
Spastic Constipation
(スパスティック・コンスティペーション)
別名・関連する表現:けいれん性便秘、痙攣性便秘症、spastic constipation、便秘 下痢 繰り返す、コロコロ便、痙攣性便秘 ストレス

ひとことでいうと

大腸の動きが過度になったり不規則になったりすることで、便の通過が妨げられて起こると説明されてきた便秘のタイプです。

痙攣性便秘

(けいれんせいべんぴ)の意味

痙攣性便秘とは、大腸の一部が強く収縮するなど、腸の動きが過度または不規則になることで便がスムーズに運ばれにくくなる状態を指す、従来から使われてきた便秘の分類です。

弛緩性便秘が「腸の動きが低下した便秘」と説明されるのに対し、痙攣性便秘は腸管が緊張して便の通過が妨げられる便秘として説明されてきました。

硬く小さな便が少量ずつ出る、便秘と下痢を繰り返す、腹痛や腹部の不快感を伴うなどの特徴が紹介されることがあります。

ただし、こうした症状だけから「痙攣性便秘」と自己判断することはできません。過敏性腸症候群(IBS)など、ほかの疾患でも似た症状がみられることがあります。

現在の便秘分類ではどう考える?

便秘については従来、弛緩性便秘・痙攣性便秘・直腸性便秘などに分けて説明されることがありました。

一方、現在の「便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症」では、この3分類を中心とした整理ではありません。

慢性便秘症を症状から排便回数減少型・排便困難型に分類し、病態からは大腸通過正常型・大腸通過遅延型・便排出障害などに分類する考え方が示されています。

そのため「痙攣性便秘」という言葉は、従来から使われてきた便秘のタイプを表す言葉として理解し、現在の診断や治療ではより詳しく症状や病態を評価することが重要です。

現場で知っておきたいポイント

介護現場では、「便秘と下痢を繰り返しているから痙攣性便秘」と決めつけないことが重要です。

排便回数だけでなく、便の形や硬さ、量、腹痛、腹部膨満、排便時のいきみ、残便感などを継続して観察します。

特に便の状態を共有するときには、「硬い」「軟らかい」だけでなく、ブリストル便形状スケールなど共通の指標を用いると、多職種間で情報を共有しやすくなります。

また、急に便通が変化した場合や、強い腹痛、嘔吐、血便、著しい腹部膨満などがみられる場合には、単なる便秘と考えず医療職への相談が必要です。

便秘のタイプを介護者だけで判断することよりも、「いつから・どのような便が・どのくらいの頻度で出ているのか」を正確に伝えることが大切です。

関連する用語

参考情報・参考文献

日本消化管学会「便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症」
2023年
参照日:2026年9月17日

日本消化器病学会「過敏性腸症候群(IBS)」
参照日:2026年9月17日

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