体位変換
ひとことでいうと
体位変換
体位変換とは、自分で十分に身体の向きや位置を変えることが難しい方に対して、介助者が身体の位置や姿勢を変えることです。
長時間同じ姿勢で過ごしていると、身体の一部分に圧が集中しやすくなります。特に自力で寝返りなどができない方では、仙骨部や踵部などに圧がかかり続け、褥瘡が発生するリスクが高くなります。
そのため、必要に応じて仰向けから横向きへ姿勢を変えるなどして、同じ部位へ圧が集中し続けないようにすることが重要です。
ただし、体位変換は単に「一定時間ごとに身体を反対側へ向ける作業」ではありません。皮膚の状態、身体機能、痛み、呼吸状態、使用しているマットレスなどを確認しながら、その方に適した姿勢や方法を考えることが大切です。
寝返りと体位変換は何が違う?
寝返りと体位変換は、どちらも身体の向きを変えるため、似た言葉として使われることがあります。
寝返りは、一般的に本人が行う基本動作を指します。一方、介護現場でいう体位変換は、自分で十分に姿勢を変えられない方に対して、介助者による介助や福祉用具などを活用しながら身体の位置・向きを変えるケアとして使われます。
例えば、ご利用者様が自分で仰向けから横向きになれば「寝返り」、自力では難しいため介助者が身体を横向きへ変えれば「体位変換」と考えると理解しやすいでしょう。
ただし、実際の医療・介護現場では言葉の使われ方が完全に統一されているわけではありません。**「寝返り=動作」「体位変換=ケア・介助」**という違いを基本として理解しておくと整理しやすくなります。
現場で知っておきたいポイント
体位変換というと「2時間ごと」というイメージを持つ方もいますが、すべての方に一律で同じ間隔の体位変換を行えばよいわけではありません。
褥瘡予防では、本人の状態だけでなく、使用している体圧分散マットレスなどの寝具、皮膚の状態、栄養状態、活動性なども含めて考える必要があります。
また、身体を横向きにしただけで安心せず、骨突出部などに圧が集中していないか、身体がねじれていないか、苦しい姿勢になっていないかを確認します。
介助するときは、腕や脚だけを引っ張って身体を動かすのではなく、身体全体の動きを利用します。スライディングシートなどを活用することで、ご利用者様の皮膚に生じる摩擦・ずれや介助者の身体的負担を軽減できる場合もあります。
そして、体位変換そのものが目的にならないことも重要です。「なぜこの方に体位変換が必要なのか」を考え、褥瘡予防、安楽な姿勢の確保、呼吸状態への配慮など、その方の目的に合わせて実施します。
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参考情報・参考文献
一般社団法人 日本褥瘡学会「褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版」
2022年3月
参照日:2026年9月11日
一般社団法人 日本褥瘡学会「褥瘡について」
参照日:2026年9月11日
