浣腸
ひとことでいうと
浣腸
浣腸とは、肛門から直腸内へ薬液などを注入し、排便を促す処置です。
便秘などによって排便が難しい場合に行われることがあり、医療・介護の現場ではグリセリンを使用した浣腸がよく知られています。
グリセリン浣腸は、直腸を刺激するとともに、便を軟らかくして滑りをよくすることで排便を促します。PMDAの医薬品情報でも、グリセリンは直腸への刺激と便の軟化・潤滑作用によって排便を促すとされています。
ただし、便秘だから必ず浣腸を行うわけではありません。 便秘の原因や便の状態、腹部症状、全身状態などを確認し、必要性を判断することが重要です。
介護職員も浣腸できる?
浣腸は医療的なイメージの強い処置ですが、厚生労働省は一定条件を満たす市販のディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いた浣腸について、原則として医行為ではない行為として整理しています。
成人の場合、対象となる浣腸器は、挿入部がおおむね5〜6cm以内、グリセリン濃度50%、容量40g程度以下の市販の使い捨て製品です。
ただし、「原則として医行為ではない」ということは、介護職員が誰に対しても自由な判断で実施してよいという意味ではありません。
厚生労働省のガイドラインは、介護職員が医療職と連携しながら安全に実施するためのものです。本人の状態や事業所の手順などを確認し、必要に応じて医師・看護職員などと連携して実施することが重要です。
現場で知っておきたいポイント
浣腸を行う際には、直腸粘膜を傷つけないことが重要です。
グリセリン浣腸の添付文書では、挿入によって直腸粘膜を損傷する可能性があり、出血した場合にはグリセリンが血管内へ入り、溶血を起こすおそれがあるため、慎重に挿入するよう注意されています。
また、製品によって具体的な使用方法は異なるため、使用する製品の添付文書や説明書、医療職からの指示を確認することが大切です。
高齢者では、過度の瀉下作用によって体液量が減少し、脱水などにつながる可能性もあるため、慎重な使用が求められています。
浣腸を繰り返さなければ排便できない場合には、処置だけを続けるのではなく、便秘の原因や排便管理そのものを見直す視点も必要です。
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参考情報・参考文献
厚生労働省「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」
参照日:2026年9月17日
厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」
2005年7月26日
参照日:2026年9月17日
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「グリセリン浣腸 添付文書」
参照日:2026年9月17日
