肝硬変
ひとことでいうと
肝硬変
肝硬変は、肝臓の障害が長く続いた結果、線維化が進んで肝臓の構造が変わった状態です。栄養の利用や有害な物質の処理、たんぱく質の合成などの働きが低下し、肝臓へ流れる血液も通りにくくなります。肝炎がある方すべてが肝硬変になるわけではありません。
背景にはB型・C型肝炎、飲酒に関連する肝障害、脂肪の蓄積に伴う肝臓病、自己免疫の病気などがあります。肝臓の働きがある程度保たれる代償性の段階では、症状が目立たない場合もあります。病名だけで飲酒が原因と決めつけず、本人の原因と治療方針を確認します。
進行すると足のむくみ、腹水による腹部の張り、黄疸、出血しやすさなどが現れます。食道の静脈瘤からの出血や、肝性脳症による眠気・反応の変化などを伴うこともあります。高齢者では低栄養や筋力低下が生活動作へ影響するため、食事量、移動、排便、意識の変化を共有します。
診断では血液検査や画像検査などを組み合わせ、肝臓の状態と合併症を評価します。原因の治療や合併症への対応を行い、肝がんの確認も継続します。介護・在宅生活では受診と服薬を支え、個別の栄養・活動の指示を守ります。水分やたんぱく質を一律に制限せず、医療職と相談することが大切です。
食事制限と低栄養の予防を両立する
肝硬変では、必要なエネルギーやたんぱく質を確保することが重要です。一方、腹水や肝性脳症、糖尿病などがある場合には調整が必要で、全員に同じ食事制限を当てはめることはできません。
「肝臓が悪いから」と自己判断で食事を減らしません。食欲低下や長い空腹時間、食べにくさを記録し、医師や管理栄養士と相談します。むくみや腹水があると体重が増えていても筋肉や栄養が減っている場合があり、体重だけで判断しないことが大切です。
食事を分ける方法や就寝前の補食が指示される場合もありますが、本人の病状に合わせて行います。活動や休息も個別に確認し、無理な運動を避けながらできる動作を支えます。便秘や感染などの変化も治療に影響するため、生活全体を医療職と共有します。
現場で知っておきたいポイント
介助者は合併症や治療を判断せず、体調と生活の変化を観察・記録し、医療職へ共有します。
- 足のむくみ、腹部の張り、体重の推移、皮膚や白目の黄色さを確認する。
- 食事量、活動量、疲れや筋力の変化を記録する。
- 排便状況、眠気、会話や反応、昼夜の生活リズムの変化を伝える。
- 服薬と受診を支え、薬、塩分、水分、たんぱく質を自己判断で調整しない。
- 出血、発熱、腹痛などの変化と開始時刻を共有し、市販薬やサプリメントは相談する。
体重だけで栄養状態を判断せず、食事と生活動作を合わせて見ます。新しい眠気や反応の変化を認知症や疲れのせいと決めつけず相談します。
吐血、黒い便に冷汗やふらつきを伴う、意識や反応が低下する、急激な全身状態の悪化がある場合は、救急要請を含む速やかな医療評価につなげます。
参考情報・参考文献
国立健康危機管理研究機構・肝炎情報センター「肝硬変」
原因、症状、診断、合併症と栄養・生活支援を確認。
https://www.kanen.jihs.go.jp/sick/kinds/kankouhen.html
参照日:2026年10月5日
