福祉用具
ひとことでいうと
福祉用具
福祉用具(ふくしようぐ)とは、高齢者や障害のある方などの日常生活を支え、自立を助けたり、介護者の負担を軽減したりするために使用される用具です。
「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」では、心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある高齢者や障害者の日常生活上の便宜を図るための用具や、機能訓練のための用具、補装具などを福祉用具として定義しています。
代表的なものには、車椅子、歩行器、特殊寝台、手すり、移動用リフトなどがあります。また、D027で扱ったスライディングボードのように、移乗を支援するための用具もあります。
福祉用具は単に「できないことを代わりに行う道具」ではありません。その人が持っている能力を活かし、安全で自立した生活を続けるための環境を整えることも重要な役割です。
介護保険ではどのように利用する?
介護保険では、一定の福祉用具について**「福祉用具貸与」と「特定福祉用具販売」**の仕組みが設けられています。
福祉用具貸与では、車椅子、特殊寝台、床ずれ防止用具、歩行器、手すりなど、介護保険で定められた福祉用具を利用できます。
一方、入浴や排泄などに使用し、他の人が使用したものを再利用することに心理的な抵抗があるものや、使用によって形態・品質が変化するものなどは、特定福祉用具販売の対象として扱われます。
また、一部の福祉用具については、利用者の状況に応じて貸与または販売を選択できる仕組みも設けられています。
ただし、「福祉用具=すべて介護保険で利用できる」という意味ではありません。介護保険の対象となる品目や利用条件は制度上定められているため、実際の利用時にはケアマネジャーや福祉用具専門相談員などと相談しながら選定します。
現場で知っておきたいポイント
福祉用具は、身体機能や生活環境に合ったものを選ぶことが重要です。
例えば同じ車椅子でも、座る姿勢や身体の大きさ、移乗方法、自分で操作するのか介助者が操作するのかによって、適した種類や調整方法は変わります。
また、福祉用具を導入する目的は「介助を楽にすること」だけではありません。適切な福祉用具によって、ご利用者様自身ができる動作を増やしたり、安全に生活できる範囲を広げたりすることも大切です。
反対に、身体機能や生活環境に合わない福祉用具は、動作をかえって難しくしたり、転倒などの事故につながったりすることがあります。そのため、導入後も使用状況や身体状態の変化を確認し、必要に応じて見直します。
「何を使うか」だけでなく、「誰が・どこで・何のために使うのか」まで考えて選ぶことが、福祉用具を活用するうえで重要です。
関連する用語
参考情報・参考文献
e-Gov法令検索「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」
平成5年法律第38号
参照日:2026年9月7日
厚生労働省「福祉用具・住宅改修」
参照日:2026年9月7日
厚生労働省「介護保険における福祉用具」
参照日:2026年9月7日
