清拭
ひとことでいうと
清拭
清拭とは、入浴やシャワー浴が難しい人の身体を、温かいタオルなどで拭いて清潔を保つケアです。全身を拭く全身清拭と、顔、陰部、手足など必要な部位だけを拭く部分清拭があります。汚れや汗を除くだけでなく、皮膚状態を観察し、爽快感や安眠につなげる目的もあります。
発熱、体力低下、安静指示、入浴設備の問題などで通常の入浴が難しいときに行われます。実施前に本人の希望、体調、医療上の制限を確認し、室温や湯温を整えます。身体の露出を最小限にし、拭く部位以外はタオルや衣類で覆って保温とプライバシーを守ります。
清拭では、皮膚の赤み、発疹、傷、むくみ、乾燥、痛み、褥瘡の兆候などを直接確認できます。皮膚を強くこすると損傷しやすいため、汚れの程度や皮膚の弱さに応じて力加減を調整します。著しい発赤、水疱、出血、強い痛みがある場合は、無理に続けず看護職へ報告します。
心地よく安全に行う工夫
湯温の感じ方には個人差があるため、介助者の感覚だけで決めず本人にも確認します。途中でタオルが冷えたら交換し、清潔な部位から汚れの多い部位へ進めます。陰部清拭では感染予防と羞恥心への配慮がとくに重要です。
皮膚の赤みは、体圧、摩擦、湿気、排泄物の刺激など複数の原因で起こります。清拭時は仙骨部、かかと、肩甲骨、皮膚が重なる部分を観察し、赤みが圧迫を除いても消えない場合や、水疱・びらんがある場合は看護職へ報告します。
本人が腕や脚を動かせる場合は、タオルを持つ、顔や胸を自分で拭くなど、できる動作を任せます。清拭をセルフケアと身体活動の機会として活かす一方、拘縮や痛みがある関節を無理に伸ばしてはいけません。
現場で知っておきたいポイント
物品を事前にそろえ、短時間でも落ち着いて行える環境を整えます。開始前に本人へ手順を説明し、希望する部位や順番も確認します。
- 開始前に体温、顔色、呼吸、血圧の変化、疲労感を確認する
- 室温と湯温を整え、拭く部位以外は覆って露出を最小限にする
- 骨突出部、皮膚が重なる部位、おむつ内の発赤や湿りを観察する
- 拭いた後は水分を残さず、乾燥がある部位は必要に応じて保湿する
皮膚を強くこすったり、痛みのある関節を無理に動かしたりすることは避けます。赤み・水疱・傷・むくみなどの変化は、部位や大きさ、痛みの有無を具体的に記録して共有します。
途中で息苦しさ、胸痛、顔色不良、強い疲労がみられたら中止し、安楽な姿勢を取ります。その日の体調に合わせて範囲を調整することも、安全で心地よい清拭の一部です。
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参考情報・参考文献
厚生労働省「介護職員初任者研修課程における目標、評価の指針」
清潔保持、入浴・清拭、自立に向けた介護に関する資料
参照日:2026年9月25日
厚生労働省「介護現場における感染対策の手引き」
標準予防策、手指衛生、排泄物や汚染物の取扱いに関する資料
参照日:2026年9月25日
