寝返り介助
ひとことでいうと
寝返り介助
寝返り介助とは、ベッドなどに寝ている方が、自分だけでは寝返りを行うことが難しい場合に、その動作を支援する介助です。
寝返りは、仰向けから横向きになるなど、寝た状態で身体の向きを変える基本動作です。単に睡眠中の姿勢を変えるだけでなく、起き上がりやベッドからの離床など、その後の動作にもつながります。寝返りは起き上がり・立ち上がりなどの基本動作の原型となる動作としても研究されています。
寝返りの方法は一つではありません。頭や上肢から動き始める方、下肢の動きを利用する方、ベッド柵につかまって寝返る方など、身体機能や環境によってさまざまな方法があります。実際、高齢者の寝返りでは身体機能やADLなどとベッド柵の使用状況との関連も報告されています。
そのため寝返り介助では、決まった方法に当てはめるのではなく、ご利用者様が自分でできる動きを確認し、不足する部分を介助することが大切です。
寝返りはどうやって起こる?
寝返りは、身体を一つの塊として横へ転がすだけの動作ではありません。
頭頸部、上肢、体幹、骨盤、下肢などが動きながら、身体を仰向けから横向きへ変えていきます。寝返り動作は運動パターンが多様であり、「これだけが正しい寝返り」という単一の方法で考えることは難しい動作です。
例えば、膝を曲げて足でベッドを押す、腕を反対側へ伸ばす、ベッド柵をつかむなど、本人が使える動きを利用することで寝返りやすくなる場合があります。
介助するときも、介助者が身体をすべて動かすのではなく、本人が動きやすいきっかけをつくり、その動きに合わせて必要な部分を補助するという考え方が重要です。
現場で知っておきたいポイント
寝返り介助で避けたいのが、腕や肩だけを強く引っ張って身体を横向きにすることです。
身体の一部分だけに力を加えるのではなく、本人が頭・腕・脚などを動かせるのであれば、その動きを活用します。ベッド柵を使うことで寝返りが行いやすくなる方もいますが、身体機能やADLなどを考慮して使用する必要があります。
また、寝返りが難しい理由は筋力低下だけとは限りません。痛み、麻痺、関節可動域、ベッドの硬さや幅、手すりの位置など、さまざまな要因が関係します。
介助者が毎回大きな力を必要とする場合は、介助方法だけでなく、ベッド環境や福祉用具を含めて見直すことも大切です。
そして寝返りは、次の「起き上がり」につながる動作でもあります。寝返り → 起き上がり → 端座位 → 離床という一連の生活動作として考えると、介助の目的が理解しやすくなります。
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参考情報・参考文献
新井清代・丸山仁司「高齢者における寝返り動作の研究―ベッド柵を使用した寝返り動作関連因子の検討―」理学療法科学
2011年 第26巻 第1号 75-78頁
参照日:2026年9月11日
浜辺峻弥・永登敦子・高野大地・関屋曻「下肢挙上方略による寝返り動作の解析」理学療法学Supplement
2016年 第43巻 Suppl. No.2
参照日:2026年9月11日
新井清代ほか「寝返り動作の体幹パターンに関連する因子の検討―下肢での床押し、身体特性、体幹機能、バランス機能に着目して―」理学療法学Supplement
2011年 第38巻 Suppl. No.2
参照日:2026年9月11日
