背抜き
ひとことでいうと
背抜き
背抜きとは、ベッドや車椅子などで姿勢を変えた後に、身体と支持面との間に生じた圧迫やずれを軽減するために行う介助です。
例えば、介護用ベッドの背上げを行うと、ベッドの動きに伴って身体がずれ、背中や臀部などに圧やずれが生じることがあります。そのままの姿勢で過ごすと、不快感につながるだけでなく、皮膚や組織への負担が大きくなる可能性があります。
そこで、背上げ後などに身体とマットレスとの間の緊張を緩めるように姿勢を調整し、身体にかかっている圧やずれをできるだけ取り除くために背抜きを行います。
「背」という名前がついていますが、背中だけを対象に考えるのではなく、臀部や肩周囲など身体全体に生じている圧・ずれを確認することが大切です。
なぜ背上げの後に背抜きをする?
ベッドの背上げでは、背もたれ部分が身体を起こす一方で、身体とマットレスがまったく同じ動きをするわけではありません。
そのため、背上げに伴って身体が足元方向へずれたり、背中や臀部などに圧迫やずれ力が生じたりすることがあります。
特に自分で姿勢を直すことが難しい方では、その状態が続いても本人だけでは十分に修正できないことがあります。
背抜きは、このような姿勢変化の後に生じた身体の負担を確認し、身体と支持面との関係を整え直すケアとして行われます。
したがって「ベッドを起こしたら終わり」ではなく、背上げ後の身体の位置や表情、苦痛の有無などまで確認することが重要です。
現場で知っておきたいポイント
背抜きというと、背中へ手を入れて強くこする介助をイメージすることがありますが、摩擦を増やしてしまっては本来の目的と逆になります。
重要なのは「手を入れること」そのものではなく、身体に生じた圧迫やずれを軽減することです。
身体をわずかに傾けたり、本人に動ける力があれば身体を動かしてもらったりするなど、その方に合った方法を選びます。
また、毎回大きく身体がずれる場合は、背抜きを繰り返すだけでなく、ベッド上での身体の位置や背上げ方法、ポジショニングなどを見直すことも重要です。
褥瘡予防では、圧だけでなくずれも重要な要因になります。背抜きを単独の「手技」として覚えるのではなく、体位変換やポジショニング、皮膚の観察などと組み合わせて考えることが大切です。
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参考情報・参考文献
一般社団法人 日本褥瘡学会「褥瘡予防・管理ガイドライン 第5版」
2022年3月
参照日:2026年9月11日
一般社団法人 日本褥瘡学会「褥瘡について」
参照日:2026年9月11日
