尿失禁

(にょうしっきん)とは?
Urinary incontinence
(ユリナリー・インコンチネンス)
別名・関連する表現:尿もれ、失禁、おしっこが漏れる

ひとことでいうと

自分の意思とは関係なく尿が漏れ、生活上の困りごとにつながる状態。

尿失禁

(にょうしっきん)の意味

尿失禁とは、自分の意思とは関係なく尿が漏れる状態です。年齢とともに増えますが、「高齢だから仕方がない」と決めつけるものではありません。原因や漏れ方に応じた対応により、症状や生活上の負担を軽くできる場合があります。

主な種類には、急な強い尿意とともに漏れる切迫性尿失禁、咳やくしゃみ、立ち上がりなど腹圧がかかったときに漏れる腹圧性尿失禁、膀胱に尿がたまり過ぎて少しずつあふれる溢流性尿失禁があります。身体機能や認知機能、環境の問題でトイレに間に合わない機能性尿失禁もあります。複数の要因が重なることも珍しくありません。

脳卒中、パーキンソン病、糖尿病、前立腺の病気、骨盤底筋の弱化、便秘、薬の影響などが関係することがあります。尿の量や回数、漏れる場面だけでなく、痛み、発熱、血尿、排尿しにくさ、残尿感などを合わせて観察することが原因を考える手がかりになります。

尿失禁は皮膚トラブル、臭いへの不安、外出控え、睡眠不足、転倒につながることがあります。本人の羞恥心に配慮し、人前で失敗を指摘したり、必要以上におむつへ頼ったりせず、トイレ誘導や衣服、動線、福祉用具を個別に整えます。

介護職が尿失禁の種類を診断することはできません。排尿日誌などで事実を記録し、急な変化や体調不良がある場合は看護師や医師へ相談します。

尿失禁を生活の中で捉える

漏れた量だけでなく、いつ、何をしていたときに起きたか、尿意があったか、トイレまでの移動や衣服操作に時間がかかったかを確認します。水分摂取量、便秘、服薬、夜間の睡眠状況も重要です。

失敗を減らすために水分を極端に控えると、脱水や便秘、尿路感染症の危険が高まります。水分制限が必要な病気がある場合を除き、自己判断で制限せず医療職の指示を確認します。

本人ができる工程は残し、声かけや環境調整から試します。排尿パターンに合わせた誘導、脱ぎやすい衣服、ポータブルトイレの位置などを多職種で検討します。

現場で知っておきたいポイント

尿失禁のケアでは、漏れを責めるのではなく原因と生活上の障壁を探します。

  • 尿意、排尿時刻、漏れた場面と量を具体的に記録する
  • 排尿時の痛み、発熱、血尿、尿の濁りや臭いの変化を確認する
  • 陰部と臀部の皮膚を清潔にし、発赤やただれを観察する
  • トイレまでの動線、照明、手すり、衣服の扱いやすさを整える
  • 本人の前で不用意に失禁の話をせず、プライバシーを守る

急に尿が出なくなった、下腹部が張って苦しい、発熱や血尿がある、意識状態が変化した場合は速やかに医療職へ報告します。

関連する用語

参考情報・参考文献

厚生労働省「過活動膀胱治療薬の臨床評価方法に関するガイドライン」
頻尿・夜間頻尿・切迫性尿失禁などの用語と臨床的特徴を参照。
参照日:2026年9月23日

日本泌尿器科学会 一般向け情報
排尿の仕組みと尿失禁・排尿障害に関する一般向け解説を確認。
参照日:2026年9月23日

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