低栄養

(ていえいよう)とは?
Malnutrition
(マルニュートリション)
別名・関連する表現:栄養不良、栄養不足、低栄養状態、malnutrition、マルニュートリション

ひとことでいうと

体に必要なエネルギーやたんぱく質などの栄養素が不足し、体重や筋肉量、心身の機能などに影響が生じている状態です。

低栄養

(ていえいよう)の意味

低栄養とは、体に必要なエネルギーやたんぱく質などの栄養素を十分にとれない、または体内で十分に利用できないことで、身体の維持に必要な栄養が不足している状態です。単に「やせていること」だけを意味するのではなく、意図しない体重減少や筋肉量の減少、体力・活動量の低下などを伴うことがあります。

高齢者では、食欲の低下、かむ力や飲み込む力の低下、病気や炎症、薬の影響、孤食など、複数の要因が重なって低栄養につながることがあります。見た目や体重だけでは気づきにくい場合もあるため、以前と比べた変化を見ることが大切です。

低栄養が続くと、筋力や免疫機能が低下し、転倒、感染症、褥瘡、フレイル、サルコペニアなどのリスクが高まる可能性があります。病気やけがからの回復が遅れたり、日常生活動作が低下したりすることもあります。

医療・介護の現場では、体重やBMIだけでなく、食事摂取量、体重減少の経過、筋肉量、病気や炎症の有無などを組み合わせて評価します。低栄養が疑われる場合は自己判断だけで対応せず、医師や管理栄養士などの専門職へ相談することが重要です。

低栄養はフレイル・サルコペニアとどう関係する?

低栄養、フレイル、サルコペニアは互いに関係しますが、同じ意味ではありません。低栄養は栄養が不足している状態、サルコペニアは筋肉量や筋力などが低下した状態、フレイルは心身の予備力が低下して健康障害を起こしやすくなった状態を指します。

低栄養になると、筋肉を維持するためのエネルギーやたんぱく質が不足し、筋肉量や筋力が低下しやすくなります。動くことが難しくなると活動量が減り、食欲も落ちるという悪循環につながることがあります。

一方で、フレイルやサルコペニアがある人すべてが低栄養とは限りません。体重、食事量、筋肉量、活動状況などを総合的に確認し、その人に合った栄養支援と運動・生活支援を組み合わせることが大切です。

現場で知っておきたいポイント

現場では、食事を完食したかどうかだけで判断せず、以前と比べた体重、食事量、活動量の変化を継続して確認します。衣服やベルトがゆるくなった、疲れやすくなった、歩く速度が遅くなったといった変化も手がかりになります。

  • 意図しない体重減少が続いている
  • 食事量が減った、欠食が増えた
  • むせる、かみにくい、飲み込みにくい
  • 傷や褥瘡が治りにくい
  • 筋力や活動量が低下している
  • 食事に時間がかかる、食事中に疲れる

こうした変化がみられた場合は、食事の好みだけでなく、口腔内の状態、嚥下機能、病気、薬、便秘、生活環境なども確認します。介護職やご家族が気づいた変化を、医師、看護師、管理栄養士、歯科医師、言語聴覚士などへ共有することが早期対応につながります。

腎臓病や心不全など、食事や水分に個別の制限が必要な病気もあります。栄養補助食品や食事量を自己判断で増やすのではなく、治療内容や本人の状態に合わせて専門職と相談しましょう。

関連する用語

参考情報・参考文献

厚生労働省「高齢者の低栄養予防」
e-ヘルスネット、2024年11月29日更新
参照日:2026年9月22日

厚生労働省「栄養改善マニュアル(改訂版)」
低栄養状態の評価・判定、栄養改善サービスに関する資料
参照日:2026年9月22日

日本栄養治療学会「GLIM基準について」
成人の低栄養診断に関する国際的な基準の解説
参照日:2026年9月22日

日本老年医学会雑誌「入院高齢者の栄養管理~低栄養,フレイル,サルコペニア」
日本老年医学会雑誌 第60巻第3号、2023年
参照日:2026年9月22日

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