基本チェックリスト
ひとことでいうと
基本チェックリスト
基本チェックリストとは、高齢者の生活機能や心身の状態を確認し、介護予防や生活支援が必要な人を早期に把握するための25項目の質問票です。本人の回答を通して、日常生活、運動、栄養、口腔機能、閉じこもり、認知機能、気分の落ち込みなどを幅広く確認します。
介護保険の相談窓口や地域包括支援センターなどでは、要支援認定を受けていない高齢者が介護予防・日常生活支援総合事業の利用を希望する際に用いられます。一定の基準に該当すると「事業対象者」として介護予防ケアマネジメントを受け、必要なサービスや地域の通いの場につながることがあります。要介護認定そのものを決める検査ではありません。
質問は「バスや電車で一人で外出しているか」「半年間で体重が減ったか」「以前できていたことが面倒に感じるか」など、暮らしに即した内容で構成されています。回答結果は、どの領域に生活機能低下の可能性があるかを考える手がかりになりますが、点数だけで病気や能力を断定するものではありません。
基本チェックリストを活用するときは、本人が質問の意味を理解したうえで回答し、必要に応じて家族や専門職が普段の様子を補足します。認知症、急な体調変化、視力・聴力の問題などによって回答が実態と異なる場合もあるため、結果と実際の生活状況を合わせて確認することが重要です。
また、総合事業だけでなく訪問介護や福祉用具など介護給付・予防給付の利用が必要と考えられる場合、本人が要介護認定を希望する場合、明らかな状態悪化がある場合には、認定申請や医療受診を含めた別の手続きも検討します。チェックリストは支援を狭めるためではなく、適切な相談先と支援へ早くつなぐための入口として使われます。
回答結果を生活上の支援へつなげる
基本チェックリストは、25項目の合計点だけを見るものではありません。たとえば外出頻度が減った背景には、足腰の痛み、転倒への不安、交通手段の不足、家族関係、意欲低下など、さまざまな理由があります。同じ回答でも必要な支援は一人ひとり異なります。
支援につなげる際は、該当した項目を本人の生活目標と結び付けます。「買い物を続けたい」「友人との集まりに参加したい」などの希望を確認し、運動、栄養、口腔ケア、住環境、移動手段、地域活動を組み合わせて考えます。できないことの一覧にしないことが大切です。
前回と回答が変化した項目は、生活機能低下の早期サインになることがあります。一方で、発熱、強い息苦しさ、急な麻痺、意識の変化などがある場合はチェックリストの判定を待たず、医療へつなぎます。結果は支援開始後も定期的に見直し、生活の変化や本人の希望に応じて支援内容を調整します。
現場で知っておきたいポイント
現場では、質問票を埋めることより、回答の背景を丁寧に把握して適切な支援へつなぐことが重要です。
- 本人が質問の意味を理解できているか確認し、誘導せずに回答を聞く
- 家族の回答だけで決めず、本人の希望と普段の生活状況を確認する
- 「できる・できない」だけでなく、頻度、疲労、痛み、環境の変化も記録する
- 体重減少、食事量低下、むせ、外出減少、物忘れ、気分の落ち込みを職種間で共有する
- 急激な変化や医療上の危険サインがあれば、判定結果にかかわらず医療職へ相談する
- 該当項目を本人が望む生活目標と結び付け、地域包括支援センター等へ情報を引き継ぐ
回答を責めたり、「できていない」と評価するような声かけは避けます。本人が困りごとを話しやすい雰囲気を整え、必要な支援を一緒に考えます。また、基本チェックリストで非該当でも、生活上の不安や状態変化がある場合は相談を終わらせず、実際の暮らしを優先して支援の必要性を判断します。要介護認定や受診が必要と考えられる場合は、制度の違いを説明して適切な窓口へつなげます。
参考情報・参考文献
厚生労働省「表4 基本チェックリスト」
25項目の質問内容、回答方法、生活機能・運動・栄養・口腔・閉じこもり・認知・気分に関する確認領域を確認。
https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1f_0005.pdf
参照日:2026年9月28日
厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防ケアマネジメントの実施及び介護予防手帳の活用について」
相談窓口での基本チェックリストの活用、事業対象者の確認、要介護認定申請との関係を確認。
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc1081&dataType=1&pageNo=1
参照日:2026年9月28日
