フットケア
ひとことでいうと
フットケア
フットケアとは、足の皮膚や爪、形、履物との適合を確認し、足の健康を保つためのケアを行うことです。清潔保持や保湿、日常の観察、傷を作らない生活上の工夫などを含みます。爪を切ることや足を洗うことだけに限らず、異変に早く気づいて専門職へつなげる役割もあります。
高齢者では、視力や身体の柔軟性、手の動きなどの変化により、自分で足を見ることや手入れが難しくなる場合があります。足の痛みや爪の問題、合わない靴は、歩行や外出の負担になることがあります。本人がどの範囲を自分でできるかを確認し、必要な部分を支援します。
糖尿病の方では、神経障害で傷や熱さに気づきにくくなったり、血流障害で傷が治りにくくなったりします。小さな靴ずれや傷でも悪化する場合があるため、足の状態に合った予防が重要です。痛みがないことだけを理由に、皮膚の異常を放置しません。
介護では毎日の観察と傷の予防を基本に、やさしい洗浄、適切な保湿、靴や靴下の確認を行います。異常な爪や皮膚、循環障害が疑われる場合の処置は、医療職へ相談します。足病変がある方やリスクが高い方では、フットケア外来などの専門的支援につなげます。
日常の手入れと、専門的な処置を分けて考える
足の観察では甲だけでなく、足裏、踵、指の間、爪の周囲を確認します。見えにくい部分は鏡を使うなどして、本人が続けやすい方法を考えます。皮膚の色、腫れ、傷、水疱、乾燥などを普段と比較し、感覚が鈍くても見て確かめることを習慣にします。
爪の手入れは、皮膚を傷つけない範囲で行う必要があります。厚く変形した爪、巻き爪、爪の周囲の炎症などは、無理に切ったり削ったりせず専門職へ相談します。糖尿病や血流障害がある方では、たこ・うおのめの自己処置や市販薬の使用が傷につながるおそれがあります。
履物は足の形や大きさに合うものを選び、内側の硬い縫い目や異物も確認します。感覚が低下した方では、熱源によるやけどにも注意します。傷の治療と日常の予防ケアを区別し、医療職から指示された方法を共有して、生活の中で継続できる支援を整えます。
現場で知っておきたいポイント
入浴や着替えの機会に足を観察し、本人が気になるところを聞きます。糖尿病、血流障害、感覚低下などの情報を共有し、ケア方法を確認します。
- 足裏、指の間、踵、爪の周囲まで、傷や色の変化を確認する。
- やさしく洗い、水分を擦らずに取り、指の間を湿ったままにしない。
- 乾燥部位を保湿し、用品や塗る部位は個別の計画に沿って確認する。
- 靴や靴下の締め付け、縫い目、異物、靴ずれがないかを確認する。
- 深爪やたこ・うおのめの自己処置を避け、異常な爪は専門職へ相談する。
本人の痛みの訴えが少なくても、足の観察を省略しません。足浴や熱源の使用は、皮膚の傷や感覚・全身状態を踏まえて、安全な方法を医療職と確認します。
傷、赤み、腫れ、熱感、膿などがあれば看護職へ報告し、早めの受診につなげます。糖尿病や血流障害がある方の小さな傷を放置しないでください。
参考情報・参考文献
糖尿病情報センター「フットケア」
足の観察、洗浄・保湿、爪や履物の注意点、傷がある場合の受診を確認しました。
https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/070/11.html
参照日:2026年10月9日
国立長寿医療研究センター「フットケア外来」
糖尿病の方への専門的な評価と、医師の指示に基づく予防ケアを確認しました。
https://www.ncgg.go.jp/hospital/shinryo/senmon/footcare.html
参照日:2026年10月9日
