東京都は10月29日、令和7年度東京都福祉保健基礎調査「高齢者の生活実態」の調査報告書を公表した。在宅で暮らす高齢者の世帯や交流、デジタル利用などを把握する資料であり、介護・福祉の現場が生活背景を考える際の参考になる。
調査は2025年10月15日〜11月14日に実施された。今回は2026年3月30日の速報に続く報告書の公表で、ひとり暮らしの割合など主要な数値は速報と同じである。2026年に新たに調査した結果ではない。
■ ひとり暮らしは29.1%、5年前から6.9ポイント増
対象は都内に住む65歳以上の在宅高齢者で、調査対象6,000人のうち3,449人の回答を集計した。回収率は57.5%。郵送とインターネットで回答を受け付け、本人の回答が難しい場合には家族などの代理回答も認めた。
回答者の世帯人員は2人が45.9%、1人が29.1%、3人が14.9%だった。1人の割合は2020年度の22.2%から6.9ポイント上昇した。ただし、この割合は都内の全世帯に占める単身世帯の割合ではなく、調査に回答した高齢者についての結果である。
■ デジタル利用と社会参加も確認
調査結果の概要では、週1回以上デジタルを利用した割合は、情報収集・調べもの・学習で51.6%、家族や知人などとのやりとりで50.9%だった。デジタル利用は、パソコンやスマートフォンによる情報取得、アプリ、メールなどを広く含む。
調査時点までの1年間に趣味やスポーツ、地域活動などを行った人は44.9%だった。その活動者1,550人のうち、趣味・学習・スポーツ活動は85.1%である。後者は回答者全員を分母とした数字ではなく、活動内容は複数回答である。
■ 世帯の人数だけで支援ニーズを決めない
ひとり暮らしという世帯の形だけで、孤独や支援不足を判断することはできない。また、情報収集にデジタルを使うことと、行政手続きをオンラインで行えることも同じではない。
報告書全文は、家族、健康、介護保険制度、住まい、コミュニケーションなどを分けて掲載している。全国共通の割合として扱わず、地域の状況と照らしながら、本人の交流相手や使いやすい連絡手段を具体的に把握する視点で読む資料である。
