厚生労働省は10月19日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、居宅介護支援事業所の管理者に主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)であることを求めない案を示した。新たな管理者要件は、介護支援専門員(ケアマネジャー)であって、5年の実務経験等を有する者とする方向で検討する。
2027年度介護報酬改定に向けた提案であり、現行の管理者要件が変更されたわけではない。
■ 主任資格から、ケアマネとしての実務経験等を求める案へ
今回の案は、主任ケアマネジャーの業務と、事業所の管理者に求められる業務の役割分担を図るものである。
厚労省の分科会資料「居宅介護支援・介護予防支援」では、主任ケアマネジャーであることを管理者の条件とせず、質の確保の観点から、ケアマネジャーとして「5年の実務経験等を有する者」とする案を提示した。
実務経験の具体的な算定方法や「等」に含まれる条件は、今後の制度設計を確認する必要がある。ケアマネジャーであれば経験を問わず管理者になれる、という提案ではない。
■ 背景に、管理業務と人材育成の役割分担
居宅介護支援事業所の管理者要件は、2018年度改定で、ケアマネジャーから主任ケアマネジャーへ変更された。事業所における人材育成の取り組みを推進することが目的だった。
一方、今回の資料では、主任ケアマネジャーが事務的な管理業務に時間を費やし、他のケアマネジャーへの指導を十分に行えていないという課題を挙げている。
見直しは、労務・財務管理などと、ケアマネジメントの支援、人材育成、地域の関係者との連絡調整をどう分担するかが焦点となる。
■ 現行は主任ケアマネが原則、一部に経過措置
現在、居宅介護支援事業所の管理者は、主任ケアマネジャーであることが原則だ。ただし、確保が著しく困難な場合などには例外がある。
また、2021年3月31日時点で主任ケアマネジャーではない者が管理者だった事業所は、その者が管理者を続ける限り、要件の適用が2027年3月31日まで猶予されている。
これは対象を限定した経過措置であり、全ての事業所が主任資格のない管理者を新たに配置できるものではない。具体的な取り扱いは、厚労省の管理者要件に関する通知に示されている。
■ 管理者要件の見直しであり、主任資格の廃止ではない
今回の提案は、管理者になるための条件を見直すもので、主任ケアマネジャーの資格自体を廃止する案ではない。
特定事業所加算で求められる主任ケアマネジャーの配置要件とも、分けて理解する必要がある。管理者要件の変更が、そのまま加算の配置要件の撤廃を意味するわけではない。
事業所にとっては管理者候補の選定や後継者の育成に関わる議論となるが、新要件の詳細や適用時期は未決定である。現段階では、現行基準と経過措置に沿った対応が必要だ。
