厚生労働省は9月28日、2027年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討チームで、就労継続支援B型の基本報酬を多面的に評価する案を示した。平均工賃月額に加え、支援時間や利用者の障害の程度などを指標とする「スコア方式」を検討する。現段階の議論であり、導入や具体的な配点が決まったわけではない。
■ 現在の報酬は二つの体系から選択
就労継続支援B型は、一般企業などでの雇用契約に基づく就労が難しい人に、就労や生産活動の機会を提供する障害福祉サービスだ。厚労省の資料によると、2026年4月時点で全国に2万401事業所があり、43万2419人が利用している。
現在の基本報酬には、主に「平均工賃月額に応じて評価する体系」と、「利用者が就労や生産活動に参加することなどを一律に評価する体系」の二つがあり、事業所がいずれかを選ぶ。今回の見直し案は、このうち平均工賃月額に応じた体系を中心とするものだ。
平均工賃を高める取り組みは大切だ。一方、工賃だけを基準にすると、障害の程度が重い人への支援など、事業所が担う仕事を十分に評価できないという指摘がある。厚労省は、工賃を評価から外すのではなく、ほかの要素も組み合わせる方向を示した。
■ 工賃・支援時間・障害の程度を主な項目に
会議資料では、評価の主な項目として「平均工賃月額」「支援時間」「利用者の障害の程度」の三つを挙げている。支援時間は、1日当たりの平均サービス提供時間で評価する想定だ。ただし、障害の特性によって利用時間が短くなる場合への配慮も検討するとしている。短時間の利用を一律に低く評価する仕組みが決まったわけではない。
これらに加え、地域の企業と連携した活動、利用者の状況に応じた個別支援、職員の経験や資格、事業運営の透明性なども評価項目の案に入った。第三者評価などによって支援の状況を確認できるか、重要な指定基準を守っているかも検討対象としている。
現在、就労継続支援A型にはスコア方式が導入されている。ただし、B型で各項目を何点とするか、点数によって基本報酬をどう変えるかは、今回の資料では示されていない。
■ 平均工賃の計算方法にも見直し案
厚労省は、平均工賃月額の計算に使う「年間開所日数」にも上限を設ける案を示した。上限案は269日で、資料では利用者の年間利用日数の上限に合わせるとしている。
現行の計算方法では、事業所の開所日数が269日を超えると、利用者が利用できる上限まで通った場合でも、計算上の平均工賃が実際に支払われた額より高くなることがあるという。報酬の評価に用いる数字を、実際の支払いにより近づける狙いがある。
B型の基本報酬区分は、2026年6月にも平均工賃月額の基準が見直されている。今回のスコア方式案は、それとは別に、2027年度の改定に向けて示された論点だ。
■ 支援の実態をどう測るかが焦点
厚労省の資料によると、B型の費用額は2025年度に約7151億円で、障害福祉サービス等全体の約20.6%を占めた。利用者や事業所が増える中、報酬の評価方法は幅広い現場に関わる。
今後は、工賃と支援内容のそれぞれをどう点数に反映するかが焦点となる。特に支援時間は、利用者の障害特性に応じた短時間利用をどう扱うかによって、事業所への影響が変わり得る。今回示されたのは評価の方向性であり、現場で適用する算定ルールは今後の議論を待つ必要がある。
