高市首相、2027年度介護報酬改定で物価・賃金上昇を反映へ

2026.10.13
青空と国会議事堂のイメージを背景に、「2027年度介護報酬改定」「物価・賃金を反映へ」「高市首相が国会答弁」と表示したニュース画像。

高市早苗首相は10月13日の衆議院予算委員会で、2027年度の介護報酬改定に物価や賃金の上昇を適切に反映し、他職種と遜色のない処遇改善を目指す方針を示した。

介護事業者の経営と人材確保を支える方向性を示した答弁であり、具体的な改定率や賃上げ額が決まったわけではない。厚生労働省の介護給付費分科会では、2027年度改定に向けた検討が進んでいる。

■ 介護の提供体制と介護離職に言及

首相は、自民党の田村憲久議員の質問に対し、人手不足や物価上昇によって介護事業所・施設が厳しい状況に置かれているとの認識を示した。

また、介護サービスの提供体制への危機感を述べ、家族の介護を理由に現役世代が仕事を辞める「介護離職」を防ぐことは、経済成長の観点からも重要だと指摘した。

田村議員は、介護サービスが働く世代の生活と就労を支える役割を踏まえ、各サービスの基本報酬の引き上げや介護従事者の賃上げを求めた。こうした要請と、実際に決定する改定内容は区別する必要がある。

■ 厚労省の改定案でも物価・賃金への対応を重視

厚労省が9月30日の介護給付費分科会に示した「令和9年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)」の概要でも、物価・賃金の上昇への対応と処遇改善が検討の柱に位置付けられている。

資料は、介護サービスが公定価格であることを踏まえ、経営の安定と人材の確保・定着に向けたさらなる処遇改善が必要だと整理している。

具体的には、事業者の経営状況と介護分野の賃上げ状況を把握したうえで、物価・賃金の上昇を報酬に反映し、他職種と遜色のない処遇改善につなげる方向を示している。ただし、この資料は検討段階の案であり、報酬単価や算定要件を確定したものではない。

■ 厚労相は地域・規模別の経営状況を確認する考え

同日朝の上野厚生労働相の記者会見では、通所介護事業者の経営悪化について質問が出た。

大臣は、中山間地域の送迎コストや、介護業界全体における物価・人件費の高騰、小規模事業所の厳しい経営状況に言及した。

そのうえで、報酬改定の検討では事業者の収支差の平均値だけを見るのではなく、地域別・規模別の状況、移動コスト、経営の様態などを丁寧に確認する必要があるとの考えを示した。

同じサービスでも、事業所の規模や地域条件によって負担は異なる。こうした違いをどのように報酬上の評価へ反映するかも、今後の検討点となる。

■ 改定率や具体的な賃上げ額は未決定

今回の答弁を、すべての介護サービスの基本報酬引き上げや、一定額の賃上げが決まったものと受け取ることはできない。今回確認した答弁と資料では、具体的な改定率や職員一人当たりの賃上げ額は示されていない。

厚労省の基本的な視点案には、経営安定や処遇改善とともに、介護保険制度の持続可能性、限られた財源の有効活用、報酬体系の整理・簡素化も盛り込まれている。

現場にとっては、物価高への対応が各サービスの報酬にどう組み込まれるか、処遇改善の対象や要件がどう設計されるかが重要になる。今後の分科会で示される具体案と、最終的に決定する改定内容を確認する必要がある。

\\ このニュースをシェアする //
Facebook
X
Threads

関連ニュース

介護・福祉・医療の求人
介護・福祉・医療の求人を探す

職種や勤務地から、

あなたに合った職場を

探せます。

もくじ