認知症グループホームの夜勤配置緩和案|3ユニット2人体制の対象拡大を検討

2026.10.13
夕暮れのグループホームをイメージした建物を背景に、「夜勤配置の見直し案」「3ユニット・2人夜勤」「検討段階」と表示した画像。

厚生労働省は10月9日、2027年度の介護報酬改定に向けた社会保障審議会介護給付費分科会で、認知症グループホームの夜勤配置を見直す案を示した。一定の条件で認められている「3ユニット・夜勤2人体制」について、対象となるユニット配置を広げることを検討する。

見守り機器などを活用し、利用者の状態を継続的に把握して迅速に対応できる体制を確保することが前提だ。現段階では対応案であり、人員配置基準が変更されたわけではない。

■ 現行は1ユニットにつき夜勤1人以上が原則

認知症グループホームの正式なサービス名称は「認知症対応型共同生活介護」。認知症のある高齢者が共同生活住居で暮らし、日常生活の介護や機能訓練を受けるサービスだ。この共同生活住居を「ユニット」と呼ぶ。

夜間・深夜の職員配置は、1ユニットにつき夜勤職員1人以上が原則となる。3ユニットの事業所なら、原則として3人以上の夜勤職員が必要だ。

ただし、現在も一定の条件を満たす3ユニット事業所では、例外的に2人以上の夜勤体制を選べる。各ユニットが同じ階で隣接し、職員が利用者の状況を円滑に把握して速やかに対応できる構造であることに加え、安全対策が講じられていることなどが条件となっている。

■ 別の階や隣接していない配置にも対象を広げる案

今回の案は、2人夜勤を認める仕組みを新設するものではなく、既存の例外を適用できるユニット配置の範囲を広げる内容だ。

厚労省は、次の配置についても、条件を満たせば2人体制を可能としてはどうかと提案した。

  • 2ユニットが同じ階で隣接し、別の階にある1ユニットと一体的に運営されている場合。
  • 同じ階にある3ユニットが隣接していない場合。

現行と今回の案の違いは、次のように整理できる。

ユニットの配置現行の例外規定今回の対応案
3ユニットすべてが同じ階で隣接安全対策などの条件を満たせば2人以上の夜勤が可能既存の対象
同じ階で隣接する2ユニットと、別の階の1ユニット現行の例外規定の対象外安全確保などを前提に対象へ追加する案
同じ階にある3ユニットが隣接していない現行の例外規定の対象外安全確保などを前提に対象へ追加する案

すべての3ユニット事業所で一律に2人夜勤を認める案ではない。建物の配置に加え、利用者の状態把握と迅速な対応ができる体制を求めている。

■ 見守り機器による状態把握と迅速な対応が前提

厚労省の資料は、見守り機器などの活用によって、夜間の状態把握や職員間の情報共有を効率化し、安全性の確保と職員負担の軽減を図る事例に言及している。

対応案では、夜間の利用者の安全を前提に、見守り機器などによる継続的な状態把握と、迅速な対応が可能な体制を確保することを要件として挙げた。

機器を設置するだけで2人体制を選べるという内容ではない。別の階や離れたユニットにいる利用者の変化を把握し、必要な支援に速やかにつなげられる運用が焦点となる。

■ 夜勤職員の確保と安全なサービス提供の両立が課題

資料では、人材確保が厳しくなるなか、特にユニット数の多い事業所で夜勤職員の確保やシフト調整が課題となっていると整理した。一方、現行の例外的な2人夜勤の活用は限定的としている。

今回の検討は、こうした事業運営上の課題と、夜間の安全なケアをどう両立するかを問うものだ。分科会では、手厚い夜勤体制の評価や職員の休憩確保などを求める意見も、これまでの議論として整理されている。

案の詳細は、厚労省の分科会資料4「認知症対応型共同生活介護」の24~25ページに掲載されている。現行の夜勤配置の条件は、厚労省の分科会資料「認知症対応型共同生活介護」の16ページで確認できる。

2027年度改定に向けた検討段階であり、今回の案を根拠に、現行基準を超えて夜勤職員を減らせるわけではない。

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