厚生労働省は5日、来年度の介護報酬改定に向けた社会保障審議会・介護給付費分科会で、新たなケアマネジメントの類型となる「登録施設介護支援」について議論した。
登録施設介護支援は、今年6月に成立した改正法に盛り込まれた新たな仕組み。住宅型有料老人ホームの入居者を対象に、ケアプランの作成や生活相談などを担う。原則1割の自己負担が導入される点も特徴となる。
今回の会合では、登録施設介護支援の報酬をどのように設定するかが論点の1つとなった。
委員からは、既存の居宅介護支援の報酬体系を概ね踏襲するよう求める意見が相次いだ。
全国老人福祉施設協議会の小泉立志副会長は、制度を複雑にしない観点から、現在の居宅介護支援の報酬を継承することが望ましいとの考えを示した。
日本介護支援専門員協会の濵田和則副会長も、生活相談など新たな業務が加わることや、1つの事業所が複数の住宅型ホームの入居者を担当することを踏まえ、現行の居宅介護支援に準じた報酬とするよう求めた。
また、連合・総合政策推進局生活福祉局の平山春樹局長は、十分な報酬上の評価がなければ地域の居宅介護支援事業所が参入しにくくなり、利用者の選択肢が狭まる可能性があると指摘した。
会合では、住宅型ホームの系列事業所による不適切な「囲い込み」や「使い切り」への対応も議論された。
委員からは、こうした行為を防ぐための十分な是正措置を制度に盛り込むよう求める意見が相次ぎ、「入居者の自立支援に逆行する」「看過できない」といった厳しい指摘も出た。
一方、既存の「同一建物減算」をめぐっては意見が分かれた。
減算の強化や厳格化を求める意見が出た一方、適切にサービスを提供している事業所まで不利益を受けることを懸念する声もあった。
日本医師会の江澤和彦常任理事は、移動コストを考慮する必要性を認めつつ、過度な同一建物減算には慎重な姿勢を示し、質の高いサービスを提供する事業所を適切に評価する必要があると訴えた。
登録施設介護支援をめぐっては、報酬や基準の具体的な設計が今後の焦点となる。厚労省は年度末にかけて議論を本格化させる方針だ。
