障害児支援の職員研修|常勤職員の受講を求める案

2026.10.05
研修資料を囲んで話し合う職員3人の実写風イメージ。左側に「障害児支援」「職員研修を検討」の文字。

厚生労働省は10月5日、2027年度の障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討チームの資料で、障害児支援に従事する職員の研修を制度上どう位置付けるか、具体案を示した。「基礎・実践研修」の導入時には対象事業の常勤職員全員に受講を求め、その後に新たに従事する常勤職員も対象とする方向だ。

非常勤職員については、勤務実態を踏まえて必須科目を設定するなど、常勤職員とは異なる枠組みを検討する。いずれも現段階の案であり、受講要件が決定したわけではない。

■ 対象は障害児通所・入所・相談支援

資料では、児童福祉法に基づく指定障害児通所支援、指定障害児入所支援、指定障害児相談支援に従事する職員を、基礎・実践研修の受講対象として検討している。通所支援には、児童発達支援や放課後等デイサービスなどが含まれる。

事業者に対しては、研修を実施するための措置を講じるよう、運営基準上で求めることも論点となった。事業所ごとの研修に任せきりにせず、障害のある子どもへの支援に共通して必要な考え方や知識を学べる仕組みを整える狙いがある。

■ 常勤職員全員を対象とする案

今回の案は、研修の導入時点で対象事業に配置されている全ての常勤職員に受講を求める内容だ。導入後は、新たに対象事業で働く常勤職員にも受講を求めることを検討する。一方、非常勤職員には標準カリキュラムの中から必須科目を設けるなど、役割や勤務実態に応じた方法を検討する。

資料は、常勤と非常勤を同じ受講方法に一律に当てはめる形にはしていない。非常勤職員が受ける科目の範囲や、事業所でどのように受講機会を確保するかは、今後の具体化を確認する必要がある。

■ 基礎・実践研修は2027年度から段階的に導入予定

研修体系の土台になったのは、2025年8月にまとめられた障害児支援の人材育成に関する報告書だ。報告書は、全ての支援者に共通する「基礎・実践研修」、事業所の中心的な職員向けの「リーダー研修」、地域で指導や連携を担う職員向けの「コア人材研修」という三つの階層を示した。

現在の予定では、基礎・実践研修を2027年度から、リーダー研修を2028年度から、コア人材研修を2029年度から順次導入する。今回の検討では、そのうち最初に始める基礎・実践研修について、運営基準への位置付けや受講対象を具体化しようとしている。

学ぶ内容は、子どもの権利擁護、本人への支援、家族への支援、地域との連携など。資料に掲載された研修体系のイメージでは、基礎・実践研修を二段階に分け、講義に加えて受講者自身の振り返りや上司・先輩職員との対話を取り入れる。示された科目数や時間は研修体系のイメージであり、今回の資料によって全事業所の受講日程が確定したものではない。

■ 研修中も子どもへの支援を維持できるか

障害児通所支援では、サービスを提供する時間帯を通じて必要な職員を配置しなければならない。そのため、外部研修に職員を送り出す時間や、代わりに支援を担う職員の確保が課題になる。

厚労省の資料は、外部研修によって一時的に人員配置に影響が生じる場合、必要な直接支援体制が確保されることを前提に、人員基準を柔軟に扱うことを検討してはどうかとしている。研修を受けやすくすることと、研修中の子どもへの支援を維持することの両方が議論の対象だ。

同じ資料では、個別支援計画を児童発達支援管理責任者を中心としたチームで作成する過程の明確化も提案された。計画の最終的な作成責任は引き続き児童発達支援管理責任者が担い、情報の整理や支援内容の提案など原案作成の一部には一般職員も関われるようにする案だ。

職員が共通の知識を学ぶ仕組みと、学んだことを日々のチーム支援に生かす仕組みが、今回の資料ではあわせて示されている。今後は研修の具体的な受講要件とともに、事業所が職員の学習時間をどう確保できるかが焦点となる。

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