富士見町、「一本松の家」の移管先を公募 建物は無償譲渡

2026.10.02
長野県富士見町の介護施設の運営法人公募を伝えるイメージイラスト。高原の施設、応募書類、鍵と「介護施設の運営法人を公募」の文字が描かれている。

長野県富士見町は10月2日、町立の小規模多機能型居宅介護施設「一本松の家」の移管先となる運営法人の公募を案内した。建物や備品を無償譲渡し、土地を無償で貸し付ける。2027年4月1日の移管を予定しているが、運営法人はまだ決まっておらず、建物の譲渡には町議会の議決も必要となる。

■ 指定管理期間の終了に合わせて移管

「一本松の家」は2012年4月に開設した施設で、通所、訪問、短期入所のサービスを提供している。現在は指定管理者制度で運営されており、その指定管理期間は2027年3月末まで。町は人口減少に伴う公共施設の利用需要の変化などを踏まえ、施設の譲渡を公共施設個別施設計画に位置付けている。

今回の公募は、指定管理期間の終了後に施設の運営を引き継ぐ法人を選ぶためのものだ。対象は社会福祉法人などで、営利法人は応募できない。諏訪地域の6市町村圏内で介護サービスの運営実績があり、富士見町内に法人本部または事業所があることなども条件としている。

■ 10年以上の運営とサービスの継承を求める

公募要項によると、建物と付帯する工作物、町が所有する備品は現状のまま無償譲渡する。土地は10年ごとに契約を更新する形で無償貸付とし、移管後の建物や備品の維持管理費は運営法人が負担する。移管先には、事業を10年以上続けることを求める。

利用者や家族への影響を抑えるため、町は現在の通所、訪問、短期入所のサービス内容をできるだけ継承するよう求めている。現在働く職員についても、利用者との関係を継続できるよう、積極的な雇用に努めることを条件に盛り込んだ。ただし、全職員の雇用が確約されたという意味ではない。移管後に町の承諾なく事業を廃止することも認めない。

■ 福祉避難所の役割も維持

「一本松の家」は、介護が必要な高齢者らを受け入れる福祉避難所にも指定されている。移管後もその機能と必要な人員配置を維持し、町と災害時の使用に関する協定を結ぶことが条件だ。

運営法人の選定では、利用者に配慮した引き継ぎやサービスの維持・向上に加え、防災、事故防止、職員の確保と研修、地域との連携などを審査する。施設を引き継ぐ法人には、日常の介護と災害時の受け入れをともに担える体制が求められる。

■ 応募は10月15~22日

応募書類の受付期間は10月15~22日。書類は富士見町役場の担当窓口へ持参する必要があり、郵送では受け付けない。10月29日に選定会を開き、11月初旬までに応募法人へ結果を通知する予定だ。公募要項や提出書類は、町の運営法人公募ページで確認できる。

候補となる法人が選ばれた後も、建物の無償譲渡には町議会の議決が必要となる。予定どおり移管が進む場合、今後はサービスと職員の引き継ぎをどう具体化し、利用者や家族に説明していくかが重要になる。

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