自治体への届け出をしていない有料老人ホームが、2025年度の調査で全国に568カ所あった。厚生労働省が9月25日に公表した結果として、共同通信が報じた。前年より16カ所減ったものの、届け出が必要な施設の把握と対応が引き続き課題になっている。
調査は自治体を通じ、2025年6月末時点の状況をまとめた。無届けの施設は北海道が89カ所で最も多く、愛知県が80カ所、兵庫県が63カ所と続いた。一方、届け出のあった有料老人ホームは前年より637カ所増え、全国で1万7883カ所だった。
有料老人ホームは、高齢者が入居し、食事や介護、健康管理などのサービスを受けられる施設。厚労省は、老人福祉法に基づいて都道府県知事などへの届け出が必要だと説明している。自治体は入居者の保護を図るため、施設への指導監督を行う。
届け出がない場合、自治体が施設の実態を把握しにくくなり、事故や虐待が起きた際の連携が不十分になる恐れがある。厚労省は自治体に対し、該当する施設へ届け出を促すよう求めている。ただし、今回の「568カ所」は届け出の状況を示す数字であり、これらの施設で事故や虐待が起きた件数ではない。
有料老人ホームに当たるかどうかを考える際は、建物の名称だけで判断できない点にも注意が必要だ。「住宅」などの名称を使っていても、入居者に提供するサービスの内容によっては有料老人ホームとして届け出の対象となる。運営事業者には、自施設のサービス内容と必要な手続きを確認することが求められる。
入居先を探す本人や家族にとっても、費用やサービス内容に加え、施設の届け出状況を確認することが大切になる。気になる場合は、施設に重要事項説明書を求めたり、所在地の自治体に問い合わせたりできる。
