製品評価技術基盤機構(NITE)は9月17日、介護ベッドや電動車いすによる高齢者の事故について、使用環境の確認や定期点検などを呼びかけた。
2016年から2025年までの10年間にNITEへ通知された事故は、介護ベッドが43件、電動車いすが59件の計102件だった。いずれの製品でも継続的に事故が発生しており、ほぼ毎年、死亡事故が確認されている。
介護ベッドの事故では、サイドレールやベッド用手すり、マットレスなどの隙間に体が挟まった事故が23件と、全体の半数以上を占めた。背上げ部分などの落下と火災がそれぞれ5件、転倒が2件、その他が8件だった。
電動車いすでは、側溝や川などへの転落が26件と最も多かった。踏切で列車と接触した事故が13件、下り坂や段差などでの転倒が11件、火災が7件、その他が2件となっている。
原因を調べている事故を除くと、介護ベッド、電動車いすともに「誤使用・不注意、またはその疑い」が半数以上を占めた。介護ベッドでは約5割、電動車いすでは約8割が製品の不具合以外による事故で、使用環境や使い方、事前確認の不足などが事故の背景となったケースも多い。
介護ベッドについてNITEは、JIS規格に適合した製品を使用するほか、スペーサーや保護カバーなどを使い、頭や首、手足が入り込む可能性のある隙間をできるだけなくすよう求めている。
JIS規格に適合したベッドでも、利用者がベッドの外にある物を取ろうとしたり、体勢を崩したりすることで、身体が隙間に入る可能性がある。利用者の体格や身体機能、ベッド上での動きを確認し、状態に応じた対策を取る必要がある。
電動車いすでは、利用する道路を家族や介助者と事前に確認することが重要とした。蓋のない側溝や水路、踏切、横断に時間がかかる道路、急な坂道などを可能な限り避けるよう呼びかけている。
使用前にはバッテリー残量に加え、転倒防止装置、ハンドルやアクセルレバーの緩み、タイヤの亀裂なども確認する。取扱店などで専門的な定期点検を受けることも事故防止につながる。
福祉用具は、選定して納品すれば安全が確保されるものではない。利用者の身体状態や生活環境、使用する経路は変化するため、導入後も本人や家族、介護職、福祉用具専門相談員などが継続的に確認し、必要に応じて用具や使用方法を見直すことが重要となる。
