不穏
ひとことでいうと
不穏
不穏は、医療・介護の現場で、落ち着きがなく、不安や興奮などによって行動や言動に変化がみられる状態を表す際に使われる言葉です。
例えば、そわそわしてじっとしていられない、何度も立ち上がろうとする、大きな声を出す、怒りっぽくなる、介助を拒否するといった様子が「不穏」と表現されることがあります。
ただし、不穏そのものは特定の病気を示す診断名ではありません。
認知症に伴うBPSDとしてみられることもありますが、せん妄、痛み、発熱、排泄の問題、睡眠不足、不安、環境の変化など、さまざまな原因や背景によって生じることがあります。
どのような原因で起こる?
不穏な状態が現れる背景は一つとは限りません。
認知症による認知機能の変化のほか、痛み、便秘、尿意、空腹、脱水、発熱などの身体的不調、不安や恐怖、睡眠不足、騒音や環境の変化などが関係することがあります。
また、急激に注意力や意識状態が変化し、落ち着かなくなった場合には、せん妄が関係している可能性もあります。
そのため、「認知症だから不穏になった」と決めつけず、いつから・どのような状況で変化したのかを確認することが重要です。
現場で知っておきたいポイント
介護現場では、「不穏」という言葉だけで状態を記録・共有しないことが大切です。
「不穏だった」だけでは、その方に何が起きていたのか十分に伝わりません。
例えば、
「15時頃から何度も立ち上がり、玄関へ向かおうとしていた」
「普段より大きな声で『家に帰る』と繰り返していた」
など、実際に観察した行動や言葉を具体的に記録すると、原因を考えたり、多職種で情報共有したりしやすくなります。
また、急に普段と様子が変わった場合には、行動を止めることだけを考えず、身体的不調やせん妄などが隠れていないか確認する視点も重要です。
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参考情報・参考文献
日本神経学会 監修「認知症疾患診療ガイドライン2026」
医学書院、2026年
参照日:2026年9月6日
日本老年医学会 編「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」等、高齢者のせん妄・行動症状に関する資料
参照日:2026年9月6日
