身体拘束
ひとことでいうと
身体拘束
身体拘束(しんたいこうそく)とは、本人の行動を、本人以外の人が制限することを指します。介護現場では、ベルトなどで身体を固定することだけでなく、本人が自由に動いたり行動したりできないようにする対応が身体拘束にあたる場合があります。厚生労働省の手引きでも、身体拘束は本人の行動を本人以外の者が制限するものとされています。
例えば、ベッドから降りられないように柵で囲う、車椅子から立ち上がれないようにベルトなどで固定する、手を自由に使えないようにミトンを装着するといった行為が挙げられます。
介護施設等では身体拘束は原則として行わず、本人や他の人の生命・身体を守るために緊急やむを得ない場合に限り、慎重な判断と適切な手続きが求められます。
身体拘束は単に身体の自由を制限するだけではなく、本人の尊厳や生活にも大きく関わる問題です。そのため、「事故を防ぐためだから仕方がない」と安易に行うのではなく、身体拘束をしない方法を検討することが重要です。
身体拘束が認められるのはどんなとき?
介護現場では、安全確保を理由に身体拘束が必要だと感じる場面があります。しかし、「転倒するかもしれない」「職員が見守れない」といった理由だけで、安易に身体拘束を行うことは適切ではありません。
厚生労働省の手引きでは、緊急やむを得ず身体拘束を行う場合、「切迫性」「非代替性」「一時性」の3つの要件をすべて満たすことが必要とされています。
切迫性は、本人または他の人の生命・身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと。非代替性は、身体拘束以外に代わる方法がないこと。一時性は、身体拘束が一時的なものであることを意味します。
さらに、これらを満たす場合でも、個人の判断だけで安易に実施するのではなく、本人の尊厳を守ることを前提として、組織的かつ慎重に判断することが重要です。
現場で知っておきたいポイント
身体拘束というと、「身体を縛ること」をイメージしがちですが、介護現場では本人の自由な行動を制限していないかという視点で考えることが大切です。
例えば、転落予防のためのベッド柵や、ずり落ちを防ぐための車椅子ベルトなども、使用する目的や本人の状態、使い方によって判断が異なることがあります。
そのため、「この用具を使ったら必ず身体拘束」と単純に判断するのではなく、本人が自由に動ける状態なのか、なぜその対応が必要なのか、ほかの方法はないのかを考える必要があります。
また、身体拘束によって活動する機会が減れば、身体機能や生活にも影響する可能性があります。Kaigo Skillsの既存記事でも、身体拘束に伴う問題として筋力低下、関節拘縮、活動量低下、不穏、せん妄などを取り上げています。
「安全を守ること」と「本人の自由や尊厳を守ること」の両方を考えることが、身体拘束を判断するうえで重要です。
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参考情報・参考文献
厚生労働省「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」
2025年3月
参照日:2026年9月7日
厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」
参照日:2026年9月7日
