車いす利用者を自動車で送迎している際の事故で、多くの死亡事故が発生していることが、消費者安全調査委員会(消費者事故調)の調査で明らかになった。
消費者事故調が公表した経過報告によると、2019年1月から2025年12月までの7年間に、車いす利用者を自動車で送迎中に発生した事故は49件確認された。このうち30件が死亡事故だった。
特に介護サービスでの送迎中に重大な事故が目立つ。
確認された49件のうち、介護サービスにおける送迎事故は34件。このうち24件が死亡事故だった。
被害に遭った利用者は70歳代が7人、80歳以上が23人、不明が4人となっている。
事故は自動車同士の衝突だけでなく、発進時や右左折時、急ブレーキ時などにも発生していた。
介護サービスで確認された34件について、車いすの固定やシートベルトの装着状況をみると、車いすが適切に固定されていなかった事故が8件、シートベルトが適切に装着されていなかった事故が9件確認された。残る17件は、分類に必要な事実が確認できなかった。
実際の事故では、通所リハビリテーションの送迎中、本来4ヵ所のフックで固定する車いすを職員が固定し忘れ、交差点を右折した際に利用者が車いすごと車内で転倒し、意識不明の重体となったケースも報告されている。
消費者事故調は、車いすの種類や送迎車両の装置によって固定方法が異なることなどを課題として挙げている。
車いすを固定する際は、車両の取扱説明書などに従って適切な位置にフックをかけることが必要となる。また、シートベルトについても、アームレストの下や車輪のスポークの間を通し、腰部ベルトを腰骨のできるだけ低い位置に密着させるなど、適切な装着が求められる。
今回公表された内容は事故原因調査の「経過報告」で、現時点の調査結果に基づくもの。消費者事故調は引き続き、介護サービス、とりわけデイサービスなどの送迎を中心に、車いすの固定やシートベルトの装着による事故防止と被害軽減について調査を進めている。
