徳島市の介護施設2カ所で、施設給食を食べた高齢者29人が下痢や腹痛などを訴える集団食中毒が発生した。徳島保健所は9月23日、給食を納入した惣菜製造業者を5日間の営業停止処分とした。
徳島県によると、9月17日午後5時ごろ、給食を納入していた有限会社エイブルフーズから、2つの介護施設で複数の利用者に体調不良が起きているとの連絡が保健所に入った。
保健所が調査した結果、同社が16日に調理・提供した昼食を食べた66人のうち、29人が16日から17日にかけて下痢や腹痛などを発症していたことが確認された。
症状を訴えた29人は全員が70歳以上で、男性5人、女性24人。いずれも快復傾向にあるという。
患者6人を検査したところ、5人の便からウエルシュ菌と、同菌が毒素を作り出すことを示す「エンテロトキシン産生遺伝子」が検出された。29人には施設で提供された昼食以外に共通する食事がなく、23日に医師から食中毒の届け出があったことから、保健所は同社が調理・提供した昼食を原因とする食中毒と断定した。
当日の献立は、肉味噌炒め、ブロッコリーの卵とじ、切り干し大根の酢の物だった。ただし、どの料理が菌に汚染されていたかは公表されていない。
同社は21日から自主的に休業していた。徳島保健所は施設内の清掃や消毒などを指示し、23日から27日までの5日間を営業停止とした。
ウエルシュ菌は熱に強い芽胞を作るため、通常の加熱調理後も残ることがある。調理した食品を室温に長時間置くと、温度が下がる過程で菌が増殖する可能性がある。
徳島県は、前日調理や室温での放置を避けること、調理後は速やかに食べること、保存する場合は速やかに冷却して10度以下または55度以上を保つこと、再加熱時は十分に加熱することを呼びかけている。
一度に多くの食事を調理・提供する介護施設では、加熱だけでなく、調理後の冷却や保管、配送、提供までの時間と温度を継続して管理することが重要となる。
