山梨県甲府市の介護老人福祉施設「トリアス」は9月29日、施設内の厨房で9月9日に調理・提供された昼食を原因とする食中毒が発生したと公表した。下痢や発熱などの症状が確認された利用者は7人。内訳は特別養護老人ホーム・ショートステイの利用者4人、デイサービスの利用者3人だった。
■ 9月17日に医師が届け出、保健所が調査
施設が公表した甲府市保健所の調査結果によると、9月17日午後、市内の病院の医師から食中毒の届け出があった。保健所が施設やデイサービスの利用状況を調べたところ、症状が出た7人に共通する食事は9月9日に施設内で提供された昼食だった。
複数の患者の血液または便からサルモネラ属菌が検出され、9月9日の昼食として保管されていた茶碗蒸しの検食からもサルモネラ属菌が検出された。保健所は、受託事業者が施設内の厨房で調理・提供した食事による食中毒と断定した。茶碗蒸しから菌が検出された一方、食材や調理工程のどこで菌が混入したかまでは公表内容から確認できない。
■ 入院治療後に1人が死亡、食中毒との因果関係は現時点で認められず
施設によると、入院治療を受けた利用者のうち1人がその後亡くなった。施設は、保健所の調査では食中毒と死亡との因果関係は現時点で認められていないと説明している。
甲府市は、給食の調理業務を受託していた富士メディカルサービスに対し、9月29日から10月1日まで3日間の営業停止処分を行った。再発防止に必要な措置を講じるよう衛生指導も行っている。
■ 施設は厨房での調理を一時停止
トリアスは当該厨房での調理を一時停止し、外部から調達した代替の食事を提供していると説明した。保健所の指導のもと、厨房設備や調理器具、保管場所の消毒と衛生点検も進めている。
今後は、調理を委託する事業者への点検・監督体制、衛生情報や職員・入所者の健康管理情報を共有する仕組みを見直し、職員への衛生管理・感染予防教育を徹底するとしている。施設は、厨房業務を委託していても利用者に食事を提供する主体として、この事態を重く受け止めると表明した。
