厚生労働省は9月29日、10月に実施する主な制度変更を公表した。生活保護の生活扶助基準では、10月1日から特例加算を世帯員1人当たり月1,500円から2,500円へ引き上げる。適用期間は2027年9月までの1年間。見直しは6月11日付の通知で示されていたもので、今回の発表は実施を前にした案内に当たる。
■ 月2,500円は「保護費の総額」ではない
生活扶助は、食費、衣服、光熱水費など日常生活に必要な費用に対応する。今回の月2,500円は、その基準額を算定する際の特例加算だ。受給者全員に月2,500円を別途支給するという意味ではない。
特例加算は、2022年に行われた生活扶助基準の検証結果を踏まえ、2019年当時の消費実態の水準に上乗せする措置として設けられた。2023~24年度は1人月1,000円、2025年度は1,500円とされ、今回さらに1,000円引き上げられる。加算後も従前の基準額を下回る世帯には、従前の額を保障する措置が続く。
■ 入院患者と介護施設入所者は月1,000円を維持
今回の引き上げには例外がある。入院患者と介護施設入所者の特例加算は、現行の1人月1,000円のまま据え置かれる。厚労省は、食費や光熱費などが現物給付される状況等を踏まえた取り扱いとしている。介護施設で暮らす生活保護受給者について、加算額が月2,500円になるわけではない。
また、特例加算が1,000円増えても、生活扶助基準額が必ず同額増えるとは限らない。基準本体に設けられた経過的加算も調整されるためだ。北九州市が示した例では、75歳の単身高齢者世帯は月6万8,820円から6万8,980円へ160円の増額。一方、68歳の単身高齢者世帯は月7万4,350円から7万5,350円へ1,000円増える。いずれも同市が示した生活扶助基準額の例で、障害者加算などは含まない。
実際の保護費は、地域や世帯構成などに応じた最低生活費から、年金や就労収入などを差し引いて決まる。住宅扶助、医療扶助、介護扶助も生活扶助とは別の仕組みだ。自分の支給額への影響が分からない場合は、担当のケースワーカーに確認したい。
厚労省は2027年度以降の生活扶助基準について、定期的な検証を1年前倒しし、その結果を踏まえて検討する方針を示している。今回の月2,500円は、まず1年間適用される特例措置だ。
