厚生労働省は2026年11月5日、障害福祉サービス等の2027年度報酬改定に向け、計画相談支援と障害児相談支援で、特定のサービス提供事業者への利用集中に応じて基本報酬を減算する仕組みを提案した。相談支援の中立性・公正性を確保するための案であり、導入が決まったわけではない。
■本人の選択を支える相談支援の中立性が焦点
計画相談支援や障害児相談支援は、サービスの利用計画を作成し、事業者との連絡調整や利用状況の確認を行う役割を担う。どの事業所を利用するかという選択に関わるため、特定の提供先に不当に偏らない支援が重要になる。
第68回障害福祉報酬改定検討チームの資料では、利用者や保護者に特定事業者の利用を過度に勧める事例があるとの指摘を紹介している。一方、資料に示された現行の計画相談支援の基準でも、本人等の選択を踏まえ、公正中立に支援することが求められている。今回の提案は、この原則を新設するのではなく、報酬面から確保する仕組みを加えるものだ。
■事業所が少ない地域や専門的な支援には例外案
提案では、介護保険の「特定事業所集中減算」の考え方を参考に、一定割合の集中が認められた場合に基本報酬を減算する。ただし、障害福祉で判定に用いる具体的な割合や、減算する単位数は示していない。介護保険の数値がそのまま適用されると受け取ることはできない。
また、中山間地域や離島などでサービス提供事業所が少ない場合や、医療的ケアが必要な人、強度行動障害の状態にある人などを主に支援する事業所の場合など、正当な理由があれば減算しない案も示した。
■利用集中の数字だけでなく、選択できる環境も関わる
相談支援の中立性を守ることと、地域や障害特性に応じた支援先を確保することの両方が論点となる。専門的に対応できる事業所が限られる場合まで一律に扱わないため、どのような集中を対象とし、何を正当な理由と認めるかが制度設計上の焦点である。
現段階は2027年度改定に向けた検討である。今回の資料だけを根拠に、利用者のサービス変更が必要になった、あるいは特定の相談支援事業所が減算対象になったと判断することはできない。
