厚生労働省は11月6日の社会保障審議会介護給付費分科会で、災害時にも介護を続けるための体制整備について見直し案を示した。BCP(業務継続計画)を事業所内だけの備えにとどめず、自治体の防災施策との連携を強める内容である。2027年度介護報酬改定に向けた提案であり、制度変更が決まったわけではない。
■地域の計画を踏まえ、情報共有や避難支援に協力
案では、BCPを作成・変更する際に地域の災害に関する計画を踏まえることや、自治体の防災上の取り組みに必要な協力を行うことを、運営基準の努力義務とする。協力の例には、災害時情報共有システムへの入力や、医療依存度の高い要介護者を支える方法・避難方策の検討が含まれる。施設・事業所と行政が状況を共有し、必要な支援につなげる狙いだ。
■減算廃止案でも、BCP策定の義務は残す
同じ資料では、業務継続計画未策定減算の廃止も提案された。厚労省は計画づくりが広がり、策定を促すという導入時の目的はおおむね達成されたと整理している。一方、この減算廃止案は、運営基準上のBCP策定義務をなくすものではない。策定が困難な事業者への支援や、指定権者による指導を続ける考えである。
■書類の有無から、実際に機能する備えへ
今回の議論では、計画を持つことに加え、被災時に地域と連携してサービスを継続できるかが焦点となる。現段階で減算が廃止されたと扱うことはできず、事業所は今後の審議や正式な基準を確認する必要がある。
