京都府立医科大学は2026年10月30日、初回検査で脳動脈瘤がなかった成人を追跡した研究成果を発表した。新しく見つかる頻度を調べたもので、脳動脈瘤が破裂する確率を示す研究とは異なる。論文は日本時間10月29日に学術誌のオンライン速報版へ掲載された。
■ 繰り返し検査を受けた10,995人を分析
脳動脈瘤は脳の血管の一部がふくらんだ状態である。対象は脳ドックで頭部MRA(磁気共鳴血管撮影)を2回以上受け、初回に脳動脈瘤がないと確認された成人10,995人だった。年齢の中央値は50歳である。
追跡期間の中央値は約3年、最長は約7年で、34人に新たな脳動脈瘤が見つかった。発生率は年間1,000人あたり約1人、3年間の累積では約0.3%だった。全員を同じ期間追跡した単純な割合ではない点に注意が必要だ。
■ 喫煙歴のある人で発生頻度が高い傾向
年齢や性別、高血圧、家族歴の影響を統計的に調整すると、喫煙歴のある人は、ない人と比べて新規発生の頻度が約2倍だった。これは喫煙歴との関連を示す結果であり、個人の将来を確定する数値ではない。
■ 検査間隔を考える基礎情報に
大学は、異常なしとされた人をどのようにフォローするかを考える基礎情報と位置づけている。ただし、対象は繰り返し脳ドックを受けた人であり、結果をすべての成人にそのまま当てはめることはできない。
医療・介護職が結果を伝える際は、「新しくできる頻度」と「破裂する危険性」を混同しないことが重要だ。今回の数値だけを根拠に、一律の再検査間隔を勧めたり、検査不要と判断したりすることは避けたい。研究の詳細は大学の一次発表で確認できる。
