医療現場のカスハラ対策、厚労省が専用マニュアル作成へ|年度内完成を目指す

2026.09.15
明るい病院の受付で、青い資料を確認する医師と医療事務職員。「医療現場のカスハラ対策 専用マニュアル作成へ」と表示されている。

厚生労働省は、医療現場におけるカスタマーハラスメント対策をまとめた業界別マニュアルを2026年度内に作成する。患者や家族への対応方法、職員を守るための取り組みやノウハウを整理する方針だ。

医療業界の関係団体などで構成する検討委員会を設け、医療現場の実情を踏まえて内容を議論する。

マニュアルの対象には、医師や看護師のほか、医療事務、コメディカル、歯科医師などが含まれる。病院だけでなく、診療所や歯科診療所など、幅広い医療現場での活用が想定されている。

カスタマーハラスメントは、患者や家族などからの要求や言動のうち、内容や手段が社会通念上不相当で、職員の就業環境を害するものを指す。正当な意見や苦情まで一律にカスハラとして扱うものではない。

医療現場では、診療や説明を求める患者側の事情に配慮しながら、暴言や威圧的な言動、長時間の拘束などから職員を守る必要がある。一般企業と異なる医療特有の関係性を踏まえ、正当な申し出とカスハラを判断する基準や、組織としての対応方法を示すことが重要になる。

2026年10月1日からは、改正労働施策総合推進法により、事業主によるカスハラ防止措置が義務化される。医療機関を含む事業主には、基本方針の明確化や相談体制の整備、発生後の迅速な対応、職員への周知・研修などが求められる

厚労省はすでに、全業種を対象とした「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」の2026年度改訂版を公表している。医療業界向けの専用マニュアルは、この一般的な対応を医療現場の業務や患者との関係に合わせて具体化するものとなる見通しだ。

専用マニュアルはまだ完成しておらず、具体的な記載内容も公表されていない。そのため、医療機関では完成を待つだけでなく、現行の指針や企業向けマニュアルを基に、相談窓口、報告経路、対応責任者などを確認しておく必要がある。

患者や家族への適切な対応と、医療従事者が安心して働ける環境を両立できるかが、専用マニュアル作成の焦点となる。

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