介護施設の嚥下調整食、療養食加算の対象に|日本栄養士会が要望

2026.09.16
介護施設で提供されるムース状・ゼリー状の嚥下調整食と、「嚥下調整食 療養食加算の対象に」と表示したサムネイル画像。

日本栄養士会は9月16日、摂食嚥下機能が低下した入所者に提供する「嚥下調整食」を、療養食加算の対象として評価するよう厚生労働省に要望した。2027年度介護報酬改定に向けた社会保障審議会・介護給付費分科会で意見を示した。

嚥下調整食は、かむ力や飲み込む力に合わせて、食べ物の硬さやまとまりやすさなどを調整した食事。安全に口から食べることに加え、必要な栄養の確保や食べる楽しみを支える役割がある。

日本栄養士会は、嚥下調整食について、単なる調理上の工夫ではないと説明。入所者の摂食嚥下機能を評価したうえで、適切な食形態を選択し、食事中の様子を観察しながら、状態の変化に応じて継続的に見直す栄養ケアだとしている。

現行制度には、誤嚥などが認められる入所者に対し、多職種が連携して経口摂取の維持に取り組んだ場合の「経口維持加算」がある。

一方、今回求めているのは、入所者の状態に合った食形態を日常的に選び、提供・管理する業務への評価となる。日本栄養士会は両者の役割を分け、嚥下調整食を療養食加算の対象に位置付けるよう求めた。

提出資料によると、嚥下機能に配慮した食事の提供には、通常食とは異なる業務や負担が生じる。コスト、ケアに要する時間、食事場面を観察するミールラウンドの時間について、常食の1.5倍以上かかると回答した施設はいずれも60%を超えた。

このほか、地域で活動する「機能強化型認定栄養ケア・ステーション」を、介護事業所が外部の管理栄養士と連携する際の連携先として制度上明確に位置付けることも要望した。

介護分野で働く管理栄養士・栄養士の処遇改善も求めている。2024年度の調査では、介護職員等処遇改善加算を管理栄養士・栄養士に配分した施設・事業所は20.4%で、看護職員の51.9%や理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの34.3%を下回った。

今回の内容は日本栄養士会から出された要望であり、療養食加算の対象拡大が決定したものではない。嚥下調整食の提供に伴う専門的な栄養管理と追加負担を、介護報酬でどのように評価するかが今後の論点となる。

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