厚生労働省は8月28日、2025年度の「医療費の動向」を公表した。医療機関や薬局に支払われた概算医療費は49.2兆円となり、過去最大を更新した。前年度から約1.3兆円、2.6%増加した。
概算医療費は、医療機関などから審査支払機関に提出された診療報酬明細書などを集計したもの。労災や全額自費の診療などは含まず、国民医療費の約98%に相当する。
診療種類別では、医科の入院が19.6兆円で前年度比2.3%増、入院外が16.5兆円で1.6%増となった。歯科は3.5兆円で3.5%増、調剤は8.7兆円で3.9%増加した。
医療機関を受診した延べ患者数に相当する「受診延日数」は、全体で前年度から0.7%減少した。医科入院は0.5%減、医科入院外は1.6%減となっている。
一方、1日当たり医療費は全体で3.3%増加した。医科入院は2.8%増、医科入院外と歯科はそれぞれ3.2%増。調剤では、処方箋1枚当たり医療費が5.0%増えた。
医療費の伸び率2.6%のうち、人口減少による影響はマイナス0.5%、高齢化による影響はプラス0.6%と推計された。診療報酬改定などによる影響はマイナス0.39%で、それ以外の影響がプラス2.9%だった。
受診延日数が減少しても、1日または処方箋1枚当たりの医療費が上昇したことで、医療費全体は過去最大となった。医療費の増加を考える際には、高齢化だけでなく、受診回数と1回当たりの費用を分けて見る必要がある。
