厚生労働省が9月30日に公表した2025年度の「介護給付費等実態統計」によると、介護予防サービスと介護サービスの費用額は計12兆2,208億円だった。前年度より2,827億円、率にして2.4%増加し、統計に掲載された過去の年次値を上回った。
対象は2025年5月から2026年4月までの審査分。この「費用額」は介護保険からの給付額だけではなく、公費負担額と利用者負担額も合わせた数字だ。
■ 年間実受給者数は685万1,600人
2025年4月から2026年3月までの間に、一度でも介護予防サービスか介護サービスを利用した「年間実受給者数」は685万1,600人。前年度から9万7,600人、1.4%増えた。
内訳をみると、介護予防サービスは136万1,200人で前年度比4.4%増、介護サービスは577万9,500人で同0.8%増だった。年度内に両方を利用した人はそれぞれの区分で数えられるため、この二つの人数を足しても全体の人数にはならない。
■ 介護予防の費用額は6.2%増
費用額12兆2,208億円のうち、介護予防サービスは3,402億円で前年度比6.2%増、介護サービスは11兆8,806億円で同2.3%増だった。総額に占める規模は介護サービスが大きい一方、増加率は介護予防サービスの方が高い。
介護サービスを統計上の区分でみると、「居宅サービス」は5兆4,032億円で3.5%増、「施設サービス」は3兆8,513億円で1.0%増だった。ただし、「居宅サービス」には特定施設入居者生活介護なども含まれる。区分名をそのまま「自宅だけで受ける介護」と捉えることはできない。
■ 訪問看護は7.1%増、福祉用具貸与は4.1%増
個別のサービスでは、訪問介護の費用額が1兆2,820億円で前年度比5.6%増、訪問看護が4,354億円で同7.1%増だった。通所介護は1兆3,616億円で同1.7%増となっている。
福祉用具貸与は4,087億円で4.1%増加した。介護予防サービスに限ってみても、介護予防訪問看護は516億円で11.2%増、介護予防福祉用具貸与は655億円で8.7%増だった。総額だけでなくサービスごとの増減をみると、伸び方には違いがある。
■ 「12兆円」に含まれない費用も
この統計は、介護給付費明細書などをもとに審査で決定された額を集計している。福祉用具貸与は対象だが、福祉用具購入費や住宅改修費などのうち、市区町村が直接支払う償還払いの費用は含まない。
また、費用額が増えたことだけから、利用者一人当たりの負担や事業者の利益が同じ割合で増えたとは判断できない。今回の数字を読む際は、保険給付・公費・利用者負担を含むことと、集計対象から外れる費用があることを押さえておきたい。
