介護報酬の地域区分見直し案、従前の上乗せ割合を維持できる経過措置も

2026.10.29
地域区分の見直し案を表す複数の街と検討資料のイラスト

厚生労働省は10月28日の社会保障審議会介護給付費分科会で、2027年度介護報酬改定に向けた地域区分の見直し案を示した。市町村の意向に応じて従前の上乗せ割合を維持できる経過措置などを提案している。現段階では審議資料に示された案であり、各市町村の区分が決まったわけではない。

9月に紹介した見直しの試算と経営への懸念に対し、今回は上乗せ割合を維持できる経過措置の期限や、隣接地域との格差を調整する特例の具体案が示された。

■ 地域の人件費を報酬単価に反映する仕組み

地域区分は、人件費の地域差を介護報酬に反映する仕組みである。介護報酬はサービスの単位数に1単位の単価を掛けて算定し、単価はサービスと地域によって異なる。事業所の収入や人材確保に関わるため、地域区分の変更は現場の経営にとって重要な論点となる。

原則は公務員の地域手当に準拠する考え方だ。公務員の地域手当が2025年度から段階的に見直されていることを踏まえ、介護報酬でも2027年度以降の設定方法を検討している。

■ 経過措置は2029年度末までとする案

厚労省の地域区分の資料では、最新の民間賃金を反映した公務員の地域手当に準拠しつつ、市町村が希望すれば、従前の上乗せ割合と公務員の地域手当の範囲内で設定できる経過措置を提案した。従前の割合を維持する選択も含む。

案では経過措置を2029年度末までとし、2030年度以降の扱いは同年度の介護報酬改定時に市町村の意見を確認する。現行の経過措置は2026年度末までであり、今回の案とは区別が必要である。

■ 隣接地域との格差を調整する特例も検討

隣接地域との級地の差を調整する特例については、公務員の地域手当の区分が7段階から5段階になることに合わせ、現行の「5級地差ルール」「4級地差ルール」を「3級地差ルール」に見直す案が示された。3級地以上の差がある地域と隣接する場合、2級地差になるまでの範囲で引上げ・引下げを認める内容だ。

厚労省は、特例の見直し案を前提に市町村の意向を改めて確認してから、2027年度以降の地域区分を設定する案を示している。今回の資料だけで、個別事業所の報酬や職員の賃金が一律に増減すると判断することはできない。

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